BtoB企業にとって、WEBサイトは営業活動を行うために欠かせないものです。
BtoBサイトを制作・運営することで、自社商品やサービスを広告費をかけずに宣伝できたり、自社ブランドのイメージを広めたりといった効果が期待できます。
しかし、BtoBサイトの効果を最大限発揮するためには、成功のためのポイントをおさえたサイト制作が必要です。
- BtoBサイトとはどのようなものか知りたい
- BtoBサイトを制作するにあたって必要なことを知りたい
- BtoBサイトを外部に依頼する際のポイントを知りたい
上記のように思っている方に向けて、本記事ではBtoBサイトのメリットや、サイト制作時のコツ・ポイントを解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
BtoBサイトとは
BtoBサイトとは、企業間取引を行うBtoB企業が運営する、自社製品やサービスの宣伝・ブランディングを行うためのWEBサイトです。
BtoBとは、「Business to Business」を略した言葉で、「企業間取引」を意味します。さまざまな企業に対して商品やサービスを売るビジネスモデルが「BtoB」です。
反対に、個人の顧客に対して製品を売る種類のビジネスモデルをBtoCと言い、こちらは「企業と消費者間の取引(Business to Consumer)」という意味があります。
BtoBサイトには明確な定義があるわけではなく、単にBtoBビジネスを展開する会社が運営するサイトを、BtoBサイトと呼称することもあります。その運営目的は、営業活動のサポートによって新規見込み顧客を獲得することです。
企業を相手にしたビジネスを展開する際は、サイトを閲覧した人の意向だけでは商品の購入やサービスの利用を決められません。商品やサービスの購入・利用を決める前には、必ず社内で会議が持たれ、その会議を申請するためには詳細な見積書やカタログなどの資料が必要です。
そのため、BtoBサイトには、相手側の企業が商品やサービスの利用を検討できるだけの詳細な情報を掲載する必要があります。
相手側の企業内で商品の購入やサービスの利用に向けた検討は、段階的に進められます。「問い合わせ」や「見積もり依頼」「資料のダウンロード」など、検討レベルに応じた情報を掲載し、見込み顧客の獲得を目指しましょう。
BtoBサイトの役割とメリット
BtoBサイトには、見込み顧客を獲得するために、新規顧客との接点を作ることや顧客側の検討レベルを上げるといった役割があります。
企業による商品購入やサービスの利用は、会社内で策定した予算や方針、設備の入れ替え時期などに影響されるので、すぐには成約できません。
購入手続きの前には必ず商談が発生し、顧客側企業の担当者はそこで得られた情報を持ち帰り、社内で検討材料として共有します。
BtoBサイトは、顧客に検討材料を提供し、サイト内に問い合わせや資料請求フォームを設置し、商談機会を生み出す役割があるのです。
BtoBサイトは他にも、自社商品やサービスの認知度拡大、ブランディングや広告費の削減などの様々な効果を得るために活かせます。24時間365日集客できるので、営業時間外でも新規顧客にアプローチできます。
相手企業との接点を作り、見込み顧客から顧客への育成を目的として運用されるのが、BtoBサイトなのです。
BtoBサイトを作る際の3つのコツ
BtoBサイトを制作する際は、以下の3つのポイントをおさえましょう。
- サイトの目的や目標を決める
- サイトに訪れてほしいターゲットを設定する
- ターゲットにアピールできる自社の特徴を明確にする
サイトの運用目的や目標を設定し、それを社内で共有すれば、具体的にどのようなサイトを制作すべきかが見えます。サイトを訪問するターゲットの設定や、自社商品やサービスが持つ特徴を明確にすることは、マーケティングにおいては必要不可欠な要素です。
1.サイトの目的や目標を決める
サイトの目的や運用にあたっての目標は明確に設定しましょう。
WEBサイトは、現状の課題の解決や収益目標を達成するツールとして使われます。しかし、具体的にどのような目標を実現するために、どのようなサイトを作るかが明確でなければ、成果を得ることは難しくなります。
「上から指示があったから」などではなく、現場レベルでサイトの制作目的や具体的な数値目標を把握しておかなければなりません。そうすれば、「目的達成のためにどのようなサイトを作るべきか」が分かるので、サイト制作の方向性も定まります。
2.サイトに訪れてほしいターゲットを設定する
サイト制作に入る前に、BtoBサイトに訪問してもらいたいターゲット像を具体的に設定しましょう。
どのような人が訪問し、どのような動きで問い合わせや資料請求につなげてもらいたいかをイメージすれば、掲載すべき要素の判断や全体の導線設計が可能です。訪問者のイメージを明確にすることをペルソナ設定と言います。
ペルソナとは、マーケティングにおいては商品やサービスを利用するユーザー像のことであり、設定にあたっては年齢や性別・仕事やライフスタイル、現状の課題などの詳細な情報を作り込みます。
分かりやすく言うと、ペルソナとは、マーケティングのターゲットをより実際にいそうな人物像に落とし込んだものです。
ペルソナを設定すれば、社内でユーザー像の共有ができたり、ユーザー側のニーズや行動を予測・分析できたりといった多くのメリットが得られます。
サイトに訪問してほしいターゲット像を具体的に掘り下げることで、よりユーザーに刺さりやすい訴求が可能になるのです。
また、ユーザーのサイトへの流入率を上げるためには、検索エンジンの検索結果の上位にサイトを表示させるSEO施策を行いましょう。
多くのユーザーは検索エンジンからサイトの存在を知って訪問します。多くの人の目に触れる機会を増やせば、それだけ流入率も増加し、成約機会も増えるでしょう。
SEO対策を徹底させ、事前に設定したターゲットがサイトに訪問しやすい環境を作り、ペルソナ設定を活用した訴求によって、訪問後に効果的なアプローチが行なえます。
3.ターゲットにアピールできる自社の特徴を明確にする
ターゲットにアピールできる自社の特徴を明確にしましょう。
自社の商材が持つ他社にはない強みが分かれば、他社との差別化がしやすくなります。その際、「ユーザーにとっての自社サービスの強みとは何か」という観点から掘り下げましょう。
自社では「これが強みだ!」と思っていても、ユーザーにとってはあまり魅力的に映らないこともあります。そういった事態を避けるには、顧客からの意見を参考にして自社が持つ強みを精査しましょう。
ユーザーからの意見を踏まえて他社との違いを明確にすれば、サイト上に載せるべき情報もおのずと見えてきます。
BtoBサイトに必要な10の要素
BtoBサイトには、以下の10の要素を掲載することで効果を発揮しやすくなります。これらはサイトのリニューアル時も盛り込みたい要素です。
- トップページ
- 自社の強みや特徴の紹介
- サービスの紹介
- 商品やサービスの価格の表示
- サービスを導入された事例の紹介
- サービスを導入する際の流れの紹介
- お知らせや告知ページ
- 会社概要
- お問い合わせや資料請求
- プライバシーポリシー
上記はサイトの使いやすさや成約につなげるための情報設計に関わる要素です。これらの役割を理解すれば、各要素を作り込む重要性が把握できるでしょう。以下、各要素の意味や役割についてご紹介します。
1.トップページ
BtoBサイトの中でユーザーに最も閲覧されるページです。トップべージは会社の顔としての役割があるので、入念に作り込むことが重要です。
トップページを設計する上では、以下の2タイプのユーザーを想定しましょう。
- 問い合わせや資料請求(コンバージョン)目的のユーザー
- 情報収集が目的のユーザー
トップページの中で、「ファーストビュー」はユーザーがサイトに訪問した際に最初に表示される部分であり、この領域を見てユーザーは自分が求める情報がサイト内にあるかどうかを判断します。この部分にユーザーが関心を寄せるコンテンツを配置しましょう。
問い合わせや資料請求ボタンもファーストビューに設置します。情報収集が目的のユーザーに向けて、ユーザーが知りたい商品やサービスの情報を上から順に並べる、グローバルナビゲーションメニューを設置するといったことも必要です。
グローバルナビゲーションはサイトの全ページに共通して設置されるリンクで、他にサイト内にはどのようなコンテンツがあるかを示し、サイトの目次として機能させましょう。
また、ファーストビューからスクロールして見えるコンテンツには、キャッチコピーやバナーを使用してユーザーが興味を抱きやすくしましょう。
2.自社の強みや特徴の紹介
自社の強みや特徴は必ず紹介しましょう。他社と異なる点を明確に打ち出せば、ユーザーにとってはその会社の商品やサービスを選ぶ理由ができるからです。
他社との違いを打ち出す際は、必ず、ユーザーにとってどのような価値をもたらすかを説明する必要があります。自社にとっての強みや特徴が独創的だったとしても、それがユーザーにとって魅力的でなければ意味がありません。
「自社を選ぶ理由」や「ユーザーにとってのメリット」を明確にすれば、選定先に迷うユーザーに対して有力な候補を与えることになります。自社の強みや特徴を明確にすれば、成約につながる可能性が高まるでしょう。
3.サービスの紹介
商品やサービスや機能や構成要素を紹介するページを作る際は、できる限り分かりやすく「誰のどのような問題を解決できるか」を説明しましょう。
サービスの機能紹介ページでは、機械的な文章にならないように注意し、ユーザーが抱える問題をこの商材でどのように解決できるかを箇条書きなどで明記し、ポイントを明確にします。
SEO対策が可能な場合は、検索エンジンから直接紹介ページに訪問するユーザーも想定し、ページ前提の設計を行いましょう。
また、ユーザーが商品やサービスを利用して得られるベネフィットも明確にしましょう。ベネフィットとは、ユーザーにとっての恩恵であり、この場合はユーザーが商品・サービスを利用することで得られる価値を意味します。
4.商品やサービスの価格の表示
商品やサービスの価格はユーザーが最も知りたい要素の1つです。価格構成が複雑で分かりづらければ、ページから離れてしまうので容易に理解できるように表記しましょう。
例えば、サービスの利用料を価格表を用いて項目ごとに解説するよりも、月額費用を吹き出しなどのイラストを用いて大文字で表記すれば、ユーザーは利用価格を一目で理解できます。
また、プランを複数用意する場合は、比較表を作るか、代表的なプランを複数横並びで表示すると良いでしょう。
価格を明示できないのであれば、価格ページに問い合わせボタンを設置するなどの導線を設計し、ユーザーが他のページに移動する前に成約を促しましょう。
5.サービスが導入された事例の紹介
事例は成約のサポートとして働くことがあるので、信頼性ある企業の実績をできる限り多く掲載しましょう。
商品やサービスの導入事例もユーザーが強く関心を示すページなので、事例が多いほうがユーザーは安心して商材の成約に進めます。その際は実名や写真入りで紹介したほうが説得力が増し、信頼性もアップするでしょう。
導入事例では、「ユーザーの抱える問題が商品やサービスの導入でどのように解決されたか」をコンテンツとして掲載し、ユーザーが商材についてイメージしやすくしましょう。
ユーザーにとっては自社と同じような問題に陥っていた会社が、商品やサービスの利用によって課題を解決したケースは大いに参考になります。そのため、自社の商品やサービスの成約につなげるためにベネフィットが伝わるシンプルな事例を紹介しましょう。
6.サービスを導入する際の流れの紹介
サービス導入時の流れを紹介するページでは、導入までに必要な手順(ステップ)や「やるべきこと」を明示しましょう。
導入までのステップや取り組むべきことをロードマップにして明示すれば、ユーザーにとって導入完了までの道程がイメージしやすくなり、導入に対する意欲につながりやすくなります。
導入時の流れはユーザーが疑問を抱きやすいポイントなので、「ご不明点についてはこちらから」などの文言でリンク遷移ボタンを設置するなどし、ユーザーが問い合わせしやすい環境を作りましょう。
7.お知らせや告知ページ
お知らせや告知ページを制作する際は、新着情報やサービスの改善、機能アップに関する情報などを掲載しましょう。
BtoBサイトに新着情報がアップされていなければ、「情報が古くてあてになるか分からない」「対応が遅くなりそう」といった、ユーザーの不安を誘発します。こういったことを避けるには、日付を書いて新しい情報を積極的に発信しましょう。
サービスの改善や機能向上に関する情報を載せれば、ユーザーに対して積極的なサポートを行っている旨を伝えられるので、安心して選定してもらえるでしょう。
また、メディア掲載実績や受賞経歴があればそれもお知らせページに掲載し、自社サービスの権威性を向上させる方法もあります。
8.会社概要
複数の事業を展開しているか、コーポレートサイトとBtoBサイトが別かどうかで、会社の概要ページに掲載する情報が変わります。
展開する事業が複数で、BtoBサイトがコーポレートサイトと別の場合は、会社情報を必要最低限掲載しましょう。会社名とサービス名が同じで、BtoBサイトだけを運営している場合は、会社情報を余すことなく掲載することが必要です。
具体的には、以下のような項目です。
- 社名
- 代表者
- 事業内容
- 設立
- 沿革
- 資本金
- 所在地(アクセス)
- 取引先
- 主要銀行
- 認証機関
- 役員・社員紹介
また、会社の取引先や主要銀行、「ISO(国際標準化機構)」などの認証を得ていれば、許可を得た上でそれらを掲載すると信頼性がアップします。
9.お問い合わせや資料請求
問い合わせフォームや資料請求の案内を掲載するページには、「入力エリアに入力例を表示する」「離脱要因のリンクは省く」といった工夫が必要です。
入力欄に入力例があると、ユーザーは何を入力すれば良いかが分かり、入力ミスの削減やユーザビリティ(利便性)の向上になります。入力ミスや操作への迷いはユーザーが離脱する要因になるので、省くことがおすすめです。
また、上記と同様に、入力項目を少なくしてユーザーにとって煩わしくないページにしましょう。例えば、連絡先だけを入力してもらうページとして作り、電話やメールで他の情報を確認するといった方法があります。
他にも、ヘッダーやフッターなどの不要なリンクを省き、ユーザーが離脱しにくいページにするのもポイントです。フォームの入力時は、ユーザーが情報入力に集中できるように調整しましょう。
10.プライバシーポリシー
プライバシーポリシーページには、個人情報保護方針の明示とその利用範囲、開示請求の方法について明記しましょう。
BtoBサイト内でユーザーからの問い合わせや資料請求を受け付ける場合は、個人情報を入力してもらうので、必ず情報を保護する旨を明示します。問い合わせや資料請求で得た個人情報の利用範囲や開示請求の方法も示し、ユーザーが不安なくサイトを利用できる体制を整えましょう。
BtoBサイト制作を制作会社に依頼する際の3つのポイント
BtoBサイトの制作を自社で行うことが難しい場合は、外部企業への制作依頼がおすすめです。その際は以下の3つのポイントをおさえることで、ミスマッチを防ぎやすくなります。
- 制作会社自身のサイトは作り込んでいるかチェックする
- 制作会社の実績・ポートフォリオを確認する
- 制作会社の強みが自社の目的と合っているかチェックする
上記3つは制作会社の信頼性や技術力を測り、自社の目的に沿ったサイトを納品してくれる可能性が高いかを判断する際の指標になります。
1.制作会社自身のサイトは作り込んでいるかチェックする
まず、外注先として検討している制作会社のホームページが、自社サイトの目指すデザインと合致しているかを確認しましょう。
WEBサイト制作会社には会社ごとに得意不得意があり、コーポレートサイトには、得意分野を活かして作り込まれているケースがあります。企業サイトは自社の顔となるので、自社が最も得意とする要素を入れて作られることがあるからです。
コーポレートサイトのデザインを確認すれば、その会社が得意とするデザインや技術が判断できますが、以下の要素もチェックすることで制作会社の信用度も推測できます。
- 会社としての情報がしっかりと掲載されているか
- きちんと定期的に更新されているか
- サイト全体の構造やガイドラインが分かりやすく制作されているか
上記の要素は企業が提供する情報に対する信頼性を測る指標になり、これらが分かりやすく掲載されているところであれば、信頼の置ける制作会社だと考えられるでしょう。
2.制作会社の実績・ポートフォリオを確認する
制作会社の実績やポートフォリオは必ずチェックしましょう。
実績からは会社の得意分野や対応可能な業界業種、実装可能な機能などが判断できます。創業年数や受注実績は、「その会社が他からどれだけ信頼されているか」を測る材料になります。
自社と同じ業界での実績があれば、何度もその業界のサイトを作っていることを意味するので、業界人から信頼されている証になるでしょう。これらを踏まえて依頼すれば、自社の望み通りのサイトが納品される可能性が高いと言えます。
3.制作会社の強みが自社の目的と合っているかチェックする
制作会社の強みが自社の目的と適しているかをチェックすれば、自社の目的を達成するために最適なサイトが納品されるかどうかを判断できます。
例えば、デザインに強みのある制作会社であれば、デザインを駆使したブランディングや訴求などが見込めます。マーケティングに強みがあれば、SEO対策によってサイトへの流入率を上げたり成約率を上げるためのサポートが受けられたりするでしょう。
外注先の得意分野を知ることは、自社が求める成果とつながる強みを持った制作会社を選ぶ際に役立ちます。必ず外注先のサイトを確認し、自社に適した制作会社を選ぶようにしてください。
まとめ
BtoBサイトは、企業に対する商品やサービスを展開するBtoBビジネスにおいて、新規顧客の開拓や自社商品やサービスの認知度拡大、ブランディングといったさまざまな効果を発揮します。
BtoBサイトを作る際は、自社の運用目的設定やサイトに訪問してほしいターゲットの具体的な掘り下げ、自社の特徴の明確化などが重要です。その上で、各種ページに必要な要素を精査して、ユーザーの利便性を第一に考えてサイト制作を進めましょう。
弊社NERDはBtoBサイトも含め、WEBサイトを使って企業が成果を出すことをサポートする制作会社です。BtoBサイトの制作や活用について悩んだら、ぜひNERDへお気軽にお問い合わせください。