SEO対策として、キーワード選定がサイトのアクセス数アップのためにとても重要だということはご存じでしょうか。SEO対策初心者の方でも、キーワード選定のコツを押さえて適切なフローを踏むことで、検索順位を上げ、アクセス数の増加を見込めます。
しかし、「なぜ重要なのか」を理解していないと、適切なキーワード選定につなげられず、効果を得られにくいことも多くあります。この記事では、SEO対策初心者の方向けに、効果的なキーワード選定のコツやフローについてご紹介します。ご自身に必要なキーワードの選定方法を理解し、アクセス数増加への一歩を踏み出しましょう。
目次
なぜキーワード選定が重要?
キーワードは、ユーザーの興味を引くものや、解決に直結するものを選定することが重要です。
なぜなら、ユーザーは検索キーワードに「解決したいこと」や、「知りたいこと」を入力して数多くあるサイトのどれかに流入していくからです。ユーザーのニーズを見誤った場合、検索にひっかかることができず、自社サイトへの流入が望めない恐れもあります。このことから、キーワード選定がいかに重要性のあることかが判断できるのではないでしょうか。
「キーワード選定」における単語選びは、検索結果で上位表示されることを目指して行います。適切なキーワード選定は、サービスや商材への関心度が高いユーザーを獲得でき、コンテンツが有益であることを示せるため、Webサイトの軸やSEO対策の要といっても過言ではありません。
キーワード選定を「なんとなく自社との関連性がありそうだから」「検索ボリュームが多い」といった曖昧な条件で選定してしまった場合、2点のリスクがあります。
- 上位表示されたものの、サイトへの流入数が思うように伸びない
- サイトへの流入数は伸びたものの、ターゲット層からずれている
ターゲット層にコンテンツの提供をしっかり行い、より多くのCV(コンバージョン)を生み出すためにも、キーワード選定にはしっかりとロジックを持ち行いましょう。
キーワード選定前にまず押さえるポイント
キーワード選定にはロジックが重要だということを理解はしても、具体的に何を押さえれば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
キーワード選定の目的はあくまでも多くのユーザーを獲得することにあります。なんとなくといった感覚的に取り組んでしまうと、多くのキーワードを出すということに意識が傾いてしまい、目的がぶれてしまいかねません。
そこで、具体的に押さえて欲しい5つのポイントについてご紹介しましょう。
- サイトの目的を意識する
- ターゲット設定を行う
- ユーザーが検索するキーワードを考える
- 検索ボリュームを確認する
- 1ページに1キーワードにする
1.サイトの目的を意識する
運営するサイトの目的やテーマを明確に持っておくことは、キーワード選定において重要なポイントです。 サイトの運用に際して、以下の2つを明確に設定しましょう。
- 目的:どのような結果を得るためにサイトを運用するのか
- テーマ:どのような情報を提供するのか
目的に沿ったキーワードを選定をすると、より高いSEO対策の効果を得られます。例えば、ECサイトを運用する場合、「売上を伸ばすこと」が目的であると言えるでしょう。その場合、商品の名前や特徴を含んだキーワード選定が重要です。
また、記事メディアの場合は「獲得リード数を上げること」が目的として考えられるでしょう。その場合、情報の内容や関連するキーワードを選定することが重要です。
そして、キーワード選定にはサイトのテーマに沿うことも押さえておきましょう。多くのサイトには、趣味や特技・サービスや商品紹介など、多くのテーマが設定されています。例えば、「Webマーケティング」をテーマとしたサイトの中に、グルメ情報に関するページが入っているとしましょう。「Webマーケティング」の情報を求めて流入したユーザーが、グルメ情報を求めている可能性は低いと考えられます。その結果、流入したユーザーは違和感を覚えてしまい、不信感を抱きかねません。
つまり、設定したサイトのテーマに沿っていなければ、流入したユーザーが信用性に欠けると判断し、サイトから離脱してしまいます。サイトからの離脱を防ぐためには、ユーザーが求める情報と、提供する情報を一致させることが重要です。そうすることで、サイトにユーザーがとどまり、ユーザー満足度の向上や、目的達成につながります。
2.ターゲット設定を行う
コンテンツの作成をする際には、明確なターゲットや、ペルソナの設定が必要不可欠です。ターゲットとは、性別や年齢、職業などの属性ごとにグループ分けをして、読んでほしいユーザー層を設定します。一方でペルソナとは、さらに細分化し、具体的に「この人」と言えるまで詳細に情報を落とし込んだ想像上の人物像です。
一見、万人受けするコンテンツのほうが狙うユーザー層も厚いのではないかと考えられるかもしれません。しかし、万人受けするコンテンツはメッセージ性が弱くなり、ユーザーの知りたい情報を汲み取ったコンテンツ作りがしづらくなります。つまり、ユーザーの求める情報量に対し、提供できる情報量が少なく、ユーザー満足度の低下につながりかねません。
ペルソナの設定をすることで、どんな悩みを持っているのか、生活パターンに至るまで予想でき、効果的な情報の紹介など、ユーザーの検索ニーズに合わせた有益性の高いコンテンツの運用が可能となります。
また、ペルソナの設定はチームで施策に取り組む場合にもユーザー層の誤認識がなくなり、すり合わせなどがスムーズに行うためにも必須です。
3.ユーザ―が検索するキーワードを考える
ペルソナの設定ができたら、キーワードを考えていきましょう。この時のポイントは、商品や、サービスなどの正式な名称で検索されない可能性も考えておくことです。どんな商品でも、正式名称などが知られていないものも多く存在します。その場合に正式名称でキーワード設定をしても成果が思うように上がらないことも考えられるでしょう。
商品名やサービスなどから直接得られるキーワードに縛られることなく、ユーザー目線で検索キーワードを選定することが重要です。
また、人が何かを検索するとき、何を知りたくて検索するのかということまで掘り下げて考えましょう。キーワードの検索意図を分類すると下記の4つに分けられます。
- したい(Do)
- 知りたい(Know)
- 買いたい(Buy)
- 行きたい(Go)
ターゲットとするユーザーの検索意図に合うキーワードを考えて選定することでサイトへの流入数増加を見込めるでしょう。
4.検索ボリュームを確認する
検索ボリュームとは、検索エンジンでユーザーがキーワードを検索する回数を指し、人気や需要の度合いを指す指標として使われます。
まず、検索ボリュームは3つに分けられます。
検索ボリューム | 月間平均検索ボリューム |
ビッグキーワード | 10,000回以上 |
ミドルキーワード | 1,000〜10,000回程度 |
スモールキーワード (ロングテールキーワード) (ニッチキーワード) |
1,000回以下 |
検索ボリュームが多ければ多いほど、需要が高いといえるため、上位表示ができると流入数や、認知度を大幅に伸ばせます。しかし、得られる効果が大きい分競合性も非常に高く、ビッグキーワードでの上位表示に対する難易度は高いと言えるでしょう。
また、ビッグキーワードは1つの単語であることが多く、意味が多様にあることからユーザーの検索意図を的確に汲み取りづらい面もあり、CVにつながりにくい一面があります。
一方で検索ボリュームが少ないものになってくると、大幅な流入数増加が見込めないものの競合性が低いため、上位表示に対する難易度は高くない場合が多いでしょう。
そして、スモールキーワードの場合、複数の語句であることが多く、ユーザーの検索意図を適格に汲み取ることが可能です。その結果、明確なニーズを持つユーザーの流入が想定され、CVにつながりやすい一面があります。スモールキーワードのコンテンツを充実させることで、サイト内のユーザー滞在時間の増加も見込めるでしょう。
とくにSEOの初期段階ならば、検索数が少ないスモールキーワードや、ミドルキーワードを選定して上位表示を狙うのが良いとされています。上位表示される記事が増えてきてからビッグキーワードを狙っていくと良いでしょう。
そして、必ずしもビッグキーワードが良いというわけではなく、「ユーザーニーズ」「強み」「検索ボリューム」の3つの条件が重なるキーワード選定で上位表示を狙うのがおすすめです。
5.1ページに1キーワードにする
SEO対策には、1ページに1キーワードとしましょう。キーワード選定をしていくうちに、欲張っていろいろなキーワードを対策したいと思う方もいるかもしれません。しかし、ユーザーは自分の求める情報こそ高い価値だと評価します。つまり、キーワードが増えれば増えるほど、対象とするユーザー層や、テーマからブレてしまうため、CVにつながりづらくなってしまうのです。
上位表示獲得に向けて、何について書かれているのかを明確にしたコンテンツ作りを心がけましょう。
また、1キーワードとは、1単語ではなく複合キーワードを指します。例えば、「ランチ イタリアン 東京」などです。「メインキーワード+サブキーワード」のような、2語を足すキーワードも1キーワードとします。
「ランチ」のような1語を1キーワードと誤認識されることもあるので、注意しましょう。
キーワード選定でおすすめなフロー5つ
キーワード選定は、上記のポイントを押さえた上でフローを理解すると、スムーズに選定できるようになります。重要な作業となるため、1つ1つしっかりと進めていきましょう。
1.軸になるキーワードを決める
雑記ブログのようなサイトとならないためにも、コンテンツの軸となるキーワードをしっかりと考えて決めましょう。サイトのテーマやコンセプトに沿った重要度と関連性の最も高いキーワードを設定すると、コンテンツの方向性が決まっていきます。
この時、なんとなくといった感覚的に短時間で安易に決めることはおすすめできません。また、ニッチすぎる分野や複数のワードから構成してしまうと、検索意図が限定されてしまいます。ユーザーのニーズを満たせないコンテンツになるため、注意が必要です。
具体的には、検索ボリュームの大きいシンプルな単語をしっかりと時間をかけて選ぶのが良いでしょう。サジェストや、関連キーワードから洗いだした検索意図の異なる同ジャンルのコンテンツを多く公開することでビッグキーワードであったとしても後々に上位表示を狙える可能性もあります。
そして、キーワードを決めたら上位表示されている競合サイトを分析してみましょう。高評価の要因、文字数や共起語・コンテンツの量、更新頻度など参考になる部分を分析することが上位表示への近道です。
2.関連するキーワード候補をリストアップ
軸となるキーワードの選定ができたら、そのキーワードを起点としてより多くの他のキーワードを出していきます。可能な限り出してから分類などの整理をしていくため、この段階では吟味せず、1つでも多く出すことを意識していろいろな角度から抽出していきましょう。
下記の3つの情報をもとにキーワード候補を挙げるのがおすすめです。
- サジェストキーワード
- 関連キーワード
- 流入キーワード
サジェストキーワード
サジェストキーワードとは、検索エンジンの検索欄にキーワードを入力すると、関連する検索ワードの候補が自動的に表示される機能のことです。検索エンジンが、ユーザーの検索や投稿内容を分析したデータをもとに表示しているため、簡単に需要の高いキーワードを抽出できます。
関連キーワード
関連キーワードの抽出方法は、Googleキーワードプランナーやラッコキーワードなどのツールを使用する他、Googleの検索結果画面の下部に表示されるキーワードを用います。
ラッコキーワードなどのツールは、広告の出稿時に使われることが多いです。しかし、特定のキーワードに関連する幅広い範囲のキーワードを大量に抽出でき、自分の運営するサイトの業界でのニーズも調査できることからSEOでもかなり重宝するツールと言えるでしょう。
流入キーワード
流入キーワードとは、実際にユーザーがサイトに流入する際に調べているキーワードです。
Google Search Consoleを用いると、実際にどのようなキーワードでユーザーが流入しているのかを知ることができます。
リアルなニーズの把握や、トレンドを知ることができるため、自分では思いつかないキーワードを発見できることもあるでしょう。
また、コンテンツの改善を図る際にも大いに役立ちます。
3.キーワードをカテゴリに分類
キーワードのリストアップが完了したら、ニーズごとにグルーピングしていきましょう。
例えば、商品名や悩み・課題、機能などが挙げられます。
ニーズが重複する場合、別々のキーワードでSEO対策をしても検索エンジンが同一のページを表示させる傾向があります。グルーピングした後にニーズが類似していると判断できる場合には、複数のキーワードを1つのページにまとめて対策をしていきましょう。
その結果、少ないページ数で多くのキーワードのSEO対策ができ、複数キーワードでの上位表示も同時に行えて、効率よく成果を得られます。
4.検索ボリュームの調査
キーワードの選定をある程度絞ることができたら、キーワードの検索ボリュームの確認をします。確認方法はツールを用いて行うと良いでしょう。確認ツールは複数ありますが、例えばGoogle Search Consoleや、Googleキーワードプランナーが挙げられます。
先述した通り、検索ボリュームが多い程競合性が高く、上位表示の難易度が高い傾向にあります。一方で、検索ボリュームが少なすぎると需要があまりないと判断できるため流入数増加を見込むことができません。
キーワードの特徴と自社サイトのインプレッション数をあわせて見つつ、自社サイトが上位をとれるかどうかを判断し、優先順位をつけていきましょう。
そして、調査とともに重要なのが「戦略をしっかりと立てる」ことです。キーワードの目星をつけたら実際に検索して競合サイトの調査をすることも忘れずに行いましょう。競合サイトが満たすニーズやポイントを見つけた場合には、自社サイトにも組み込み、さらに差別化して自社サイトが優位に立てるポイントについて確認します。競合サイトでは触れていないポイントが自社の強みであった場合には、大きな差別化となるでしょう。
競合サイトの調査に関してもツールがいくつかありますが、本格的に行う場合には有料の「Ahrefs」が分析におすすめです。
5.キーワード決定
以上のフローでキーワードを決定し、ページを作っていきましょう。決定する際のポイントは、3点あります。
- 既存のページとの関連性はあるか
- 将来的なサイトの拡張性があるか
- コンバージョンにつながるか
既存のページとの関連性については先述した通り、ユーザーの信用を失い、離脱につなげないためにも必要な要素となります。また、拡張性については、今後のサイト運営を左右する条件となるため、必ず押さえておきましょう。さらに忘れてはいけないのは、コンバージョンにつながるワードかどうかです。全てのキーワードをコンバージョンに近いキーワードにすることは難しいですが、コンバージョンにつながらないワードばかりを狙ってもビジネスにとって意味がないため、コンバージョンを意識したキーワード選びを心がけましょう。
また、キーワードの選定は一度作れば終わりではありません。「狙ったユーザー層に届いているか」「ニーズがずれてしまっていないか」を含め、定期的にコンテンツのチェック・リライトなどブラッシュアップが必要です。最低でも4半期に一度はチェックすることが望ましいでしょう。
SEOは相対評価であることを忘れずに
まず、SEOは相対評価であることを忘れてはいけません。上位表示を目指すためには、この行動をすれば絶対に上位表示を勝ち取れるということはなく、常に競合と比較しなければならない点が多々あります。
Googleの公式見解によれば、SEOで成果が出るまでには4か月から1年の時間が必要とされます。キーワード選定をして新規記事を作成しても、すぐには流入が増えないことも考えられるでしょう。
また、検索エンジン側によりページがクロールされ、インデックスが行われ順位付けがされるまでにも時間がかかります。
そして、自社が優れた対策を行っていたとしても、競合他社も多くの施策を常日頃から行っていると考えられ、都度状況が変わっていきます。
重要なのは競合よりも早く施策を行い、それを継続することです。成果が出るまでには時間が必要となるため、根気強くより良いコンテンツ作りに精を出すことが重要であると言えるでしょう。
まとめ
キーワード選定は一度だけでなく、ネタ切れにならないように定期的に見直しを行う必要があります。SEO対策は中長期的に行っていく必要がありますので、リソースがさけない場合や、担当人材が育たないなどあるでしょう。
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