- Web広告を始めたいけど費用はどれくらい必要?広告費用はどのようにして決まるの?費用対効果を上げるコツは?
と思っていませんか?
2022年に発表された株式会社電通の調査レポートによると、ネット広告の費用は2兆7,052億円と、2021年時点で新聞やテレビの広告費(2兆4,538億円)を上回っています。この結果はWebにおける広告の重要性が増していることを物語っています。
Web広告の種類は数多く存在するため、出稿する広告の種類ごとに必要な費用や予算の目安を知りたいという方は多いのではないでしょうか。費用相場を知らなければ、外注時に見積もりをとっても、適正な価格か否かが判断できません。
自社の商品やサービスの訴求に効果的なWeb広告を選定し、適正価格で外注するには、広告にはどんな種類があるか・適正な費用相場はどのくらいかを把握することが大切です。
本記事では、Webマーケティングのプロ集団であるNERDが、Web広告の種類や費用相場・費用を抑えるためのポイントを解説します。本記事を読めば必要な予算を投入し、効果的にWeb広告を運用する方法がわかるので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
Web広告には3種類ある
Web広告とはインターネット上に掲載される広告のことで、主にブログやSNSなどの広告枠に掲載されます。Web広告には以下の3種類があります。
- 運用型広告
- 成果報酬型広告
- 純広告
自社商品やサービスの訴求に最適な広告を選ぶためには、各広告の仕組みや特徴を把握することが必要です。なぜ故ならWeb広告で効果を出すためには、「誰に届けるか」という訴求する対象となる顧客層の絞り込み(ターゲティング)が重要だからです。
ターゲティングで絞り込んだ顧客層に最も届きやすい種類の広告を出すことで、コンバージョンへとつなげられる可能性を高めることができます。以下、広告の種類ごとの特徴や運用時の注意点についてチェックしましょう。
運用型広告
運用型広告は自社で運用していくタイプの広告であり、広告枠の選定や商品を訴求する顧客層のターゲティング、広告の内容などはすべて自社の担当者が設定します。
クリック単価は配信時に決めた金額が上限であり、1円から数千円までと広告の表示回数や配信メディアなどによって大きく変動します。運用型広告で扱う主な広告の種類は以下の5つです。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- DSP広告
- 動画広告
運用型広告の強みは自社で運用できることにあり、運用形態や配信の頻度・広告タイプの調整・詳細なターゲティングが可能など、ユーザーの反応やニーズに応じたカスタマイズができます。特に自社サイトを訪れたことのあるユーザーに限定して配信・集客する、リターゲティング広告を活用する企業が増えています。このように運用型広告には、効果的な訴求がしやすいという利点があります。
一方、広告の選定からターゲティング・出稿など、広告を出すために必要なすべてのプロセスを自社で担うので運用面の知識が必要です。媒体ごとに課金方式や必要な予算などにも違いがあるので、注意しましょう。
成果報酬型広告
成果報酬型広告とは、広告のリンクを経由して商品ページを訪問したユーザーが、実際に購入・申込みなどをすることで費用が発生する仕組みの広告です。主にアフィリエイト広告のことを指します。
アフィリエイト広告とは、ブログやSNSの運用者が自分のメディアに商材広告を貼り付け、実際に購入・申込み・問い合わせなどがあった際に報酬が入る広告です。自分のメディアに広告記事を掲載することで、成約率をアップさせる運用者もいます。
コンバージョンにつながらなかった場合は料金がかからないので、広告費に対して成果が出ないという事態になりにくい点が特徴です。失敗しにくいという利点はあるものの、外部メディア運用者が興味をもつ内容の広告を出せなければ、効果がありません。
成果を判別するためのURL発行・管理が必要なので、こちらも運用するために知識が必要であり、外部メディアの運営者に悪質な手法で宣伝されるリスクがあります。
魅力的な広告を配信し続けなければ相手にされず、自社の信用性に関わるリスクもあるので、広告運用に慣れてからの利用をおすすめします。
純広告
純広告とは、自社が買い取ったWebサイト内の広告枠に出稿するタイプの広告です。例えば、「Yahoo! JAPAN」のトップページや日本経済新聞社のサイトに表示される広告がこれに該当します。
他の種類の広告とは異なり、自社商品に興味のなかった層にもアプローチできる点が特徴で、掲載媒体の選定次第では非常に多くのユーザーの目に触れさせることが可能です。
出稿期間に設定した契約期間中は必ず表示されるので、アピール性に優れた広告だと言えます。
最初に広告枠を買い取るので掲載後の運用費はかからず、自社で運用する必要がないので簡単ですが、掲載期間や表示可能数があらかじめ決められています。利用者数の多いサイトの広告枠は高額なことが多いので失敗した場合の損失は大きいです。
また、一度掲載した後は内容を変更できないことがデメリットであり、ユーザーの反応を見てより訴求性の高いものに調整することはできません。一定期間しか掲載されない点も問題点だと言えるでしょう。
Web広告の費用相場・課金方式
Web広告は一般的に種類ごとに必要な費用と課金方式は異なります。Web広告の課金方式の種類には、主に以下の6種類があります。
- クリック課金:広告がクリックされた時に費用がかかる
- インプレッション課金:広告が1,000回表示されると費用がかかる
- 期間保証型:広告枠の掲載期間に応じて費用がかかる
- エンゲージメント課金:広告にシェアなどの反応があると費用がかかる
- 視聴課金:動画広告が一定時間視聴されると費用がかかる
- 成果報酬型:事前に設定した条件を満たした時に費用がかかる
以下、Web広告の種類ごとの費用や課金方式の一覧です。自社に適した広告を選定・採用する際の参考にしてみてください。
純広告
純広告の費用種類と相場は以下のとおりとなっています。
- 課金方式:インプレッション課金、期間保証
- 相場:数十万円~数千万円
課金方式が期間保証の場合、利用者数の多い媒体に掲載すると非常に費用が高額になる傾向にあります。大手Webサイトの場合は利用者数が多いことから、数週間の掲載だけでも数千万円は必要です。
インプレッション課金型の広告枠を選んだ場合、1回の表示にかかる費用の目安は1円程度ですが、こちらも大手サイトの場合は1週間ほどで高額の費用がかかります。
運用型広告
運用型広告には複数のタイプごとに費用相場が異なり、課金形態もそれぞれ違うものが設定されています。
自社に適した広告を出すために、タイプごとの特徴と費用相場・課金形態を確認しましょう。
リスティング広告
リスティング広告はユーザーが検索したキーワードに応じ、検索結果の上位に表示されるタイプの広告です。
訴求率が高いことが特徴であり、検索されやすいキーワードに対応した広告を掲載することで表示率をアップさせられます。具体的な課金方式と相場は以下のとおりです。
- 課金方式:クリック課金
- 相場:1円~出稿可能だが競合の入札状況で変動
クリックされない限りは課金されないという特徴を活かし、商品の認知拡大やメールでの問い合わせにつなげられるというメリットがあります。
ただし、キーワードに対して広告主が入札することによって費用が決まっているので、人気のキーワードの場合は費用が高額になるケースがあります。
しかし、競争率が低く効果の高いキーワードを選べば、広告費を抑えつつ高い効果を得ることが可能です。キーワードを分析した結果により、費用対効果が変化するのです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、ユーザーが閲覧しているWebページの広告枠に表示する広告です。表示形式にはバナーや文章、記事広告などの多様な形式があります。
商品をユーザーに認知してもらうために出稿されることが多い広告であり、広告の関連記事に表示されることもあります。ページの広告枠に表示するという特徴から、さまざまな広告媒体に掲載されています。課金方式と相場は以下のとおりです。
- 課金方式:クリック課金(一部の媒体ではインプレッション課金も選択できる)
- 相場:クリック単価10円~(配信先や時期などで10~300円と大きく変動)
低単価で広範囲に配信できる点がメリットであり、こちらもクリックされない限りは課金されないので、自社ブランドの認知度向上につなげられます。ただし、リスティング広告よりも効果が低い傾向にあります。
DSP広告
DSP広告とは広告の効果を向上させ、少ない費用で高い効果を得るためのプラットフォームのことです。あくまでツールなので、DSP自体が広告枠というわけではありません。
DSP(Demand Side Platform)は広告枠の購入や配信・ターゲット分析などを自動で行い、広告を掲載する媒体側のプラットフォームであるSSPと組み合わせることで、掲載媒体の訪問者への訴求に最適な広告を自動的に掲載してくれます。これで掲載された広告をDSP広告と言います。
似たものに複数メディアの広告枠のネットワークであるアドネットワークがありますが、こちらは基本的に広範囲に広告を載せてPRするものなので、特定の顧客層に絞り込んで訴求することはできません。
DSP広告の具体的な課金方式と料金相場は、以下のとおりです。
- 課金方式:クリック課金、インプレッション課金
- 相場:クリック単価10円~
広告媒体ごとに詳細なターゲティングをしつつも、配信側の負担を大幅に軽減できる点が特徴です。ただし、出稿には広告代理店を経由しなければならないケースがあるので、注意しましょう。
SNS広告
SNS広告とは、TwitterやFacebook、InstagramやLINEなどのSNSに出稿する広告のことです。
ユーザーが掲載した情報や検索キーワード、拡散した情報などから興味・関心を分析し、それをもとに精度の高いターゲティングができるという特徴があります。そのため費用対効果が高い傾向にあり、顧客層を絞った購買促進が行いやすいです。
FacebookやInstagramなどの一部のSNSは、広告アカウントを作成しなければ発信できません。しかしジャンルごとにアカウントを複数作成でき、それらを一括で管理できるので、ジャンルの異なる商品を訴求したい場合に便利です。
- 課金方式:クリック課金、インプレッション課金、エンゲージメント課金
- 相場:クリック単価10円~(媒体や配信設定によって変動)
商材によって広告掲載媒体として最適なSNSが異なるので、掲載前の詳細なリサーチが成功の鍵となります。
動画広告
動画広告とはYouTubeに代表される動画共有サービスを、動画の再生中に流す広告のことです。
動画コンテンツの開始時に広告動画が流れるという仕様上、費用が発生するのは30秒以上の動画視聴や視聴者が広告をクリックした場合のみとなっています。そのため、すぐにスキップされた場合に費用は発生しません。
- 課金方式:視聴課金メイン
- 相場:1円~数百円/1視聴
動画での配信なのでクリエイティブ性の高い広告を配信できる点が特徴で、テレビCMよりも少ない予算で出稿できることが利点です。他のタイプの広告と組み合わせることで、ブランドの認知度を拡大させ、売上アップにつながりやすい広告です。
運用型広告は低予算で気軽に始めやすいイメージですが、弊社の代理店としての経験から、効果を正確に検証するために月の予算として最低でも20万~30万円をかけなければ、最適な運用が難しいことがわかっています。
なぜなら、ターゲティングを最適化するためには成果のデータが必要であり、最終的なコンバージョン単価の検証にはある程度の金額を投入しなければならないからです。
成果報酬型広告
成果報酬型広告の費用種類と相場は以下のとおりです。
- 課金方式:成果報酬型
- 相場:100円~数万円/1成果
成果報酬型広告の費用相場は、訴求する商品の種類によって大きく変わります。また、広告を出しているメディア運用者のほとんどは、ASPという広告提供媒体を経由して広告を掲載しています。
ASPは無料ではないので、登録する際の初期費用、月額固定費、手数料がかかります。
Web広告の費用対効果を上げる3つのポイント
Web広告は運用時に以下の3つのポイントを意識することで、費用対効果を上げることができます。
- 広告配信目的の明確化
- ターゲット層を詳細に絞り込む
- クリックされやすい広告の制作
広告を掲載するメディアの選び方と併せて確認しましょう。
広告配信の目的を明確にする
広告配信の目的を明確にしましょう。自社がWeb広告を掲載する目的を明確にすることで、ターゲット層や広告の種類も定められることがその理由です。
商品販売が目標の場合は自社の商品を知っている人(顕在層)に向けたアピールが必要なので、リスティング広告やディスプレイ広告などを用います。認知度向上が目的である場合は、SNS広告や動画広告など、無関心層にアピールできる種類を選びます。
広告の配信目的を定めることで訴求すべき顧客層や、効果の高い広告の種類を検討できるので、必ず実行しましょう。
メディアはターゲット層を意識して選ぶ
Web広告の掲載メディアはターゲット層を意識して選びましょう。
Web広告は詳細なターゲティングをすることで、自社の商品を購買しそうな地域、性別・年齢層などへ効果的に配信することが可能です。
ターゲット層が多く集まるメディアを活用し、想定顧客層を中心に配信できれば、ターゲットではない人のクリックが減少し、広告費を抑えることができます。
クリックされやすい広告を制作する
ユーザーからクリックされやすい広告を制作することも大切です。顧客の行動に着目することで、ユーザーにとって有益性の高い広告を制作することが可能です。
例えば、性能の高いパソコンを安く入手したい若年層のユーザーがい居た場合、そのユーザーはGoogleで「高性能 パソコン 安く買う」といったキーワードを入力して検索します。
あらかじめリスティング広告を掲載していれば、その際に顧客の目が広告に留まりやすくなるでしょう。ユーザーが比較サイトやSNSの口コミを確認することも考えられるので、ディスプレイ広告やSNS広告の掲載も効果的です。
ユーザーの検索行動を想像すれば、その段階に応じた各種類の広告を載せ、効果的な訴求が可能になります。
また、デザイン面にもこだわることが必要です。上記の例だと、一目でパソコンの値段と性能・外観などが伝わり、若年層に訴求できるデザインであれば費用対効果が得やすくなります。ターゲットの属性に合わせたクリエイティブの制作を心がけましょう。
Web広告を自社運用する時の注意点
Web広告を自社で運用する際は、以下の2つのことに注意しましょう。
- ノウハウの蓄積
- 継続的な改善
ノウハウを蓄積する
社内にWeb広告を運用するためのノウハウを蓄積しましょう。
広告代理店にWeb広告に関するすべてを任せてしまえば、ノウハウが蓄積されず、長期的に見れば多くのコストを支払い続けることになります。そのため、自社でできることは自社で行うようにしましょう。
例えば、広告代理店に外注する場合でも外注範囲を動画や画像の作成に限定し、自社で運用をすれば、運用ノウハウを自社に蓄積することができます。
蓄積したノウハウは属人化させずに社内で共有し、人材育成へとつなげることで長期的視座に立ったコスト削減が実現できます。
継続的に改善する
Web広告を運用する際はクリック率とコンバージョン率を常に確認し、そのデータをもとに運用を改善していくことが大切です。運用を改善することでよりユーザーへの訴求性を向上させられるからです。
例えば、クリック率やコンバージョン率などの向上が見込めないようであれば、広告内容の変更や配信先を絞り込むことを検討しましょう。自社の商品を買った顧客リストをもとに、広告枠や広告の種類を変更するといった対策も効果的です。
継続的な運用改善を実施することで、費用対効果をアップさせましょう。
まとめ
Web広告は種類ごとの特徴と適正な費用相場を理解することで、効果的な運用ができます。
広告を効果的に運用するには最初に広告を配信する目的を設定し、それに合わせて顧客層を絞り込み、最適な広告の種類や配信媒体を選ぶことが大切です。本格的な運用に入った後は自社へのノウハウの蓄積や継続的な改善によって、効果をアップさせられます。
「自社で広告運用ができるか心配」という担当者様には、各種Web広告の運用代行を行っているNERDが、成果にこだわって広告運用をサポートいたします。
NERDの得意とするのは「運用型広告」であり、バナーやLP等のクリエイティブ制作も行なっているのでターゲットに適した広告で成果を出すことが可能です。
自社にはどのような広告運用が合っているのか知りたい、そもそもどのような広告を出せばいいかわからないという方もご相談ください。ご要望を丁寧にヒアリングし、最適な解決策をご提案いたします。
もしWeb広告の出稿・運用でお困りごとがあれば、ぜひNERD株式会社へお気軽にご相談ください。