自社のWebサイトを上位表示させたいと日々SEO対策を実施している方は少なくないでしょう。内部対策やコンテンツSEOで対策を施してはいるけれど、外部対策に関しては被リンク対策など、一筋縄ではいかず難しそうだと感じる方もいるのではないでしょうか。
- 自社でSEO対策をしたいが、外部対策の意味がわからない
- SEOの「外部対策」を実施するには具体的にどうすればいいのか知りたい
今回はこのように感じている方へ向けて、NERDの現役SEOスペシャリストがSEOの外部対策について徹底解説します。
本記事では内部対策の違いや外部対策とはどういったものなのか、具体的な施策に至るまでご紹介していくので、ぜひご参考にしてください。SEOを強固にし、周りのサイトと差をつけましょう。
目次
内部対策との違い
SEO対策には「コンテンツSEO」「内部対策」「外部対策」と大きく分けて3つの種類があります。コンテンツSEOとは、良質な記事を展開していく施策で、ご存じの方も多いことでしょう。
一方でわかりにくいのが外部対策と内部対策です。外部対策と内部対策の違いは、施策内容にあります。
内部対策は、自社サイト内のHTMLなどの構造に対し最適化を図る施策を行い、ユーザビリティとクローラビリティを上げます。イメージとしては、良くない部分を修正する施策となり、土台作りには必須の対策と言えるでしょう。
外部対策は、他社サイトから評価を得たり、シェアしてもらう施策を行います。イメージとしては自社サイトにプラスの評価をつけていく施策といえます。
SEOの外部対策=第三者からの評価をもらうこと
SEO外部対策は「第三者からの評価をもらう」ことが重要であるとし、「被リンク」および「サイテーション」の質と量を上げることを目的としています。なぜなら、ユーザーに有益な情報の提供を行いたい検索エンジンの上位表示に対する判断材料の1つとして「第三者からの評価」が重要であるとしているためです。
「被リンク」と「サイテーション」について詳しく見ていきましょう。
外部サイトからリンクを貼ってもらう「被リンク」
「被リンク(バックリンク)」とは、「発リンク」と対になるもので、外部サイトに設置される自社サイトへのリンクを指します。他社サイトのコンテンツ内で自社サイトのリンクを「参照してください」と張られている表示こそが「被リンク」です。
Googleは自社サイトのコンテンツ以外にも上位表示の評価基準として被リンクの量・質を見ています。つまり、外部対策=被リンク対策と言っても過言ではありません。
例えば、ドメインが異なる場合、自社コーポレートサイトからサービスサイトへリンクを張ると被リンク「1」がカウントされます。
ただし、張られているリンクに「nofollowタグ」というGoogleにリンクを辿らないように指示したタグの設定が施されている場合には、被リンクとしてカウントされません。
SNS上(Facebook・Twitter・Instagram・Eメールなど)に張られるリンクがそれに当てはまります。
過去には人工的に被リンクの量を増やし、検索順位を上げる施策を行う企業もいました。しかし、現在ではGoogleのアルゴリズムのアップデートにより、ペナルティ対象となってしまうため人工リンクの使用はおすすめできません。ペナルティを受けることになってしまうと、検索順位を下げられてしまったり、サイトを消去されてしまったりと悪い影響しかありません。外注する際にはこのような悪質な業者がどうか注意して判断しましょう。
自社Webや会社が外部サイトやSNSで発信される「サイテーション」
「サイテーション」とは、Web上で企業名やサイト名などの情報について言及されることを指します。Googleなどの検索エンジンでの検索や、Instagram・TwitterなどのSNS、ブログなどのソーシャルシグナル、YouTubeのコメントに至るまでオンライン上で言及されるすべてのものがサイテーションです。
サイテーションとして認識する具体的な要素は3つあります。
- サイト名・会社名などの名称
- 住所や電話番号といった詳細の情報
- リンクが張られていないテキストで記載されたURL
サイテーションは「テキスト形式」であることがポイントです。画像に挿入された文言や、動画に収められた会話でのコメントはサイテーションには含まれません。
被リンクとの違いは、リンクが張られていない点にあります。サイテーションはGoogleなどの検索エンジンが認識しにくい一面をもっており、公式には検索順位への効果を言及していません。一方で、被リンクはGoogleにより公式に推奨されているため、外部SEO対策としてはサイテーションよりも被リンクの方が強い効果を生み出すと考えてよいでしょう。
サイテーションは、SEOに対して効果を発揮しないように感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
Googleは、ローカル検索結果の掲載順位を決める際の要素として「知名度」を含んでいます。そのため、直接的ではないものの間接的には影響を及ぼすものであると考えられるでしょう。
つまり、「サイテーションも重要な外部対策の1つである」ということです。リンクがなくても自社に関するテキストコメントだけでサイテーションとしてSEO対策ができる点においては、ハードルの低いSEO対策であると言えます。
なお、被リンクと同様に質の低いサイテーションが増えると、検索エンジンの評価が下がるなどの悪影響が出る恐れもあるため注意が必要です。
外部対策の具体的な施策
「被リンク」「サイテーション」それぞれの質と量をあげるためには具体的にどのような施策を行うのか、ご紹介しましょう。
被リンクをもらうために必ずすべき7つのこと
被リンクを得るためにどのような施策ができるのでしょうか。7つの外部施策についてご紹介します。
- 他社に相互リンクをお願いする
- トレンドに合う記事を作成する
- 独自性のあるコンテンツを掲載する
- 他社に取材した記事を掲載する
- 寄稿記事を書く
- 自社のコーポレートサイトにリンクを張る
- 低品質な被リンクは削除、拒否する
それぞれ見ていきましょう。
1:他社に相互リンクをお願いする
自社サイトと関係があるWebサイトや被リンクを獲得したいWebサイトに対してリンクを張ってもらうように連絡すると、被リンクを得られる可能性があります。
この方法はあくまでも自社と相手の双方にとって関連性が強い点と、利益につながることが重要なため、先方にはリンクを張るメリット・デメリットについて明確にメールなど形に残す方法で伝えることが望ましいでしょう。
リンク営業は一般的な手法ですが、関連性のない相互リンクはもちろん、関連度の高い相互リンクであったとしてもやりすぎるとGoogleのペナルティ対象となるため注意が必要です。例えば、リンク集ページへの掲載ではなく、個別ページによる会社紹介や、引用元として掲載してもらうようにすると良いでしょう。
2:トレンドに合う記事を作成する
人が知りたい・紹介したいと感じるコンテンツ作りができると被リンクの獲得がしやすいでしょう。人は、話題や最新などといったトレンドに敏感である傾向が強く、ネット上に情報があふれる前に、話題性のある情報を提供することで多くの被リンクが増加する可能性があります。
自社が得意とする分野の最新情報や世の中の話題などに目を向けたり、「Googleトレンド」ツールの利用で検索急上昇中のキーワードの調査をしたりして、トレンド感のあるコンテンツの作成を検討すると良いでしょう。
3:独自性のあるコンテンツを掲載する
自社で調査や独自のデータを発信することは、多くの被リンク獲得が期待できます。独自性のある1次情報は、ユーザーからの信頼を適切に高められるため、他サイトで引用されやすいからです。
また、Googleは独自性のあるコンテンツを上位に表示するため、被リンクだけでなくコンテンツ評価そのものを高める効果も期待できます。可能ならば、調査やアンケートなどを実施し、得られたデータをコンテンツ化することを検討されても良いでしょう。
4:他社に取材した記事を掲載する
他の企業への取材により得る被リンクは良質で効果的です。なにより、取材記事の掲載による被リンク獲得の最大のメリットは自社のみならず、相手企業へも良質な被リンクをもたらす他、ユーザーにも他社コンテンツにはない独自性の高い情報を提供できる点にあります。
被リンクをただ待つといった受動的ではなく、能動的に被リンク獲得に向けて関連性の高い企業を選定して仕掛けていくことで、高確率で良質な被リンク獲得に非常に有効と言えるでしょう。
しかし、取材をする際は被リンク獲得のためだけに執筆するのは先方に対し失礼となり、先方にとってのメリットはなくなってしまいます。あくまでも「先方にとって良い取材内容である」ことに留意したコンテンツ作成をするようにしましょう。
5:寄稿記事を書く
寄稿とは、有名なメディアに対し作成したコンテンツを提供し、掲載してもらうことを指します。もしも、自社サイトと関連性の強いメディアがある場合には寄稿し、自社サイトのリンクも掲載してもらうと直接的に良質な被リンクを得られるでしょう。その上、自社サイトを知らないユーザーにまで認知度を広げることができ、被リンク以外のSEO効果も得られる可能性が高くなります。
寄稿する際には、すでに自社サイトで公開しているコンテンツの改変や転載といったコピーコンテンツは避けます。専門性を活かし先方にもメリットを感じられるような記事作成に注力することで、先方からの掲載を獲得できる確率が上がります。
6:自社のコーポレートサイトにリンクを貼る
自社コーポレートサイトがある場合、自作のリンクであっても張ることが望ましいでしょう。なぜなら、自社コーポレートサイトや採用サイトで自然な形でユーザーに紹介するリンクは、利便性を向上させると同時に、検索エンジンによるサイトの信頼性向上にもつながるためです。
ただし、被リンクを増やす目的でサテライトサイトを作成することは推奨されません。過去には一般的であった被リンクの量産手法ですが、現在では逆効果になる可能性が高く、コストの無駄にもつながるため避けるのが望ましいでしょう。
7:低品質な被リンクは削除、拒否する
被リンクの質の重要性は年々増すばかりです。「質」として重要視されているのは4つあります。
- 自然発生的なリンクである
- リンク元との関連度の高さ
- リンク元コンテンツの質の高さ
- リンク元のドメインパワーの強さ
上記のなかでも、料金を払って被リンクを得る「ペイドリンク」や、過度な相互リンクなどの人工リンクはペナルティ対象となるので避けましょう。
しかし、自らリスクのある行動をとっていなくても、いつの間にか被リンクされていることもあります。ペナルティを避けるには、定期的に「Google Search Console」などを用いて被リンクチェックを行い、リンク元に削除要請をするか、否認を行います。意図しない検索順位の下降やペナルティを受けないためにも、しっかりとチェックを行うようにしましょう。
サイテーションを増やすために必ずすべき6つのこと
サイテーションを得るためにどのような施策ができるのでしょうか。6つの外部施策についてご紹介します。
- サイト名をわかりやすいものにする
- SNSで定期的に発信を続ける
- サイト内に各種SNSボタンを設置する
- プレスリリースを出す
- ポータルサイトに掲載してもらう
- Googleビジネスプロフィールを設定する
それぞれに見ていきましょう。
1:サイト名をわかりやすいものにする
サイテーションを増やすには、自分のサイト名をSNSや検索エンジン、他のサイトで何度も名前が出るようにすることが大切です。
新しいサイトを作る場合は、わかりやすく覚えやすいサイト名を選びましょう。長すぎたり、他社と似ていたり、読みにくいサイト名を設定したりしてしまうと、ユーザーが覚えづらく、サイテーションの機会を逃してしまいます。
仮にサイテーションされたとしても、誤った名称や省略した名称で覚えられてしまうと検索エンジンからの認識がされづらくなります。わかりやすく独自性のあるサイト名を選び、積極的にサイテーションを獲得するようにしましょう。
2:SNSで定期的に発信を続ける
SNSを利用することは、サイテーションを増やすために必須です。SNS上で魅力的なコンテンツを発信することで、ユーザー間で拡散され、好意的なサイテーションが増加します。また、拡散したコンテンツがブログなどで紹介される可能性もあるため、間接的な被リンク効果も期待できるでしょう。
なお、検索エンジンがサイテーションとして認識しやすくなるコツは、SNSのアカウント概要欄に、サイト名やURL、概要や提供する商品・サービスなどの情報を掲載することです。SNSユーザーが増え続けている現代ではサイテーション効果を狙っていくことも非常に重要かつ有効だと言えます。
3:サイト内に各種SNSボタンを設置する
現代のSEO対策においてSNSの影響は絶大であると言わざるを得ません。ユーザーが気に入ったコンテンツを簡単にSNS上でシェアできるように、必ずSNSボタンを設置しましょう。とくに、FacebookやTwitterのシェアボタン、そしてはてなブックマークボタンは、よく利用されるSNSボタンの1つです。はてなブックマークはnofollowタグがついていないため、直接的なSEO効果も期待できます。
WordPressを使用している場合は、WP Social Bookmarking Light、AddToAny Share Buttons、WordPress Share Buttons Plugin – AddThisなどのプラグインをインストールすることで簡単にSNSボタンを設置できます。最近のWordPressテーマには、SNSボタンが標準実装されているものもあるので、テーマ選びの際にはチェックしてみると良いでしょう。
4:プレスリリースを出す
プレスリリースサイトを利用して配信することで、多くの人に情報を届けられ、被リンクやサイテーションを獲得する可能性があります。プレスリリースサイトからのリンクにはnofollowタグが付いていますが、メディアサイトからのリンクを獲得できるため、被リンク獲得に期待が持てるでしょう。また、SNSでの情報拡散によりサイテーションを獲得することも期待できます。
ただし、プレスリリースをSEO目的で利用することはおすすめできません。なぜなら、不自然なリンクを貼ることはペナルティを受ける可能性があるからです。プレスリリースはあくまでも間接的にSEOに効果があるだけであり、メディアに対して提供する1次情報を通じて認知度を高めることが目的ということに留意しておきましょう。
5:ポータルサイトに掲載してもらう
ポータルサイトとは、いろいろなコンテンツの入口となるWebサイトを指します。ポータルサイトに登録し、自社名やサイト名がWeb上で露出すればするほど、認知度が高まり、サイテーションされやすくなるでしょう。
例えば、口コミや予約サイトの「Hot Pepper」や「ぐるなび」、ショッピングサイトの「楽天市場」、地域ポータルサイトなどがポータルタイトの一例として挙げられます。それらに登録することで、多くのユーザーに認知され、アクセスされる機会が増えるでしょう。
ただし、登録時には自社情報のNAP表記や誤情報にも注意が必要です。
6:Googleビジネスプロフィールを設定する
実店舗や会社をお持ちの場合におすすめしたいのがGoogleビジネスプロフィールです。Googleのサービスで、企業や店舗のあらゆる情報を無料で登録・管理できます。
活用することで、Googleから認知されやすくなったり、Googleの検索結果やGoogleマップで表示されたりするため、Googleからの評価やサイテーション向上につながります。
利用の際のポイントは、企業・店舗情報を登録し、ユーザー目線で利便性を感じる情報を充実させることです。サイテーションの向上はMEOにおいても重要なため、積極的に情報発信すると良いでしょう。
まとめ SEO外部対策
SEOの外部対策は、自社サイトへの外部からの評価を上げることが目的です。その対策方法には、被リンクやサイテーションの獲得が挙げられますが、それだけではありません。発信するコンテンツの質や量も重要です。良質なコンテンツを定期的に発信することで、自社サイトがユーザー間でシェアされる機会が増え、サイトの評価が上がります。
ただし、被リンクやサイテーションを増やすだけがすべてではありません。評価の低い被リンクやサイテーションは、逆にサイトの評価を下げてしまうこともあります。そのため、自社サイトの信頼性や価値を高めることが大切であると言えるでしょう。
外部対策はプラスの評価を付け加える対策であるとお伝えしましたが、自社サイトの質の低下を防ぎつつ、効果的に評価を上げていくよう注意して行うと良いでしょう。
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