Webサイト(ホームページ)を制作したりリニューアルしたりすることには必ず目的があります。その目的を達成するためには、Webサイト制作の正しい流れをチェックし、完成までの全体像を明確に把握することが大切です。
なぜなら、Webサイトの制作工程を知っておくことで、スムーズに完成まで持っていくことができるからです。しかし制作フローで、何をすればよいかがわからないという方も多いでしょう。
本記事では、Webサイト制作のプロ集団であるNERDがWeb制作を失敗したくない、制作フローがわからないという方に向け、Webサイト制作のフローと制作を外注前に自社で留意すると良いことについて解説します。
目次
制作フローを知っておく必要性
制作会社に依頼する場合、制作フローを自社で把握しておく必要はないと思いがちですが、決してそんなことはありません。
目的を果たせる、つまり失敗しないWebサイトを持つためには、フローごとに自社の要望を伝えることが大切です。
制作をスケジュール内でスムーズに進めるためには、Webサイトのメインターゲットはどの層か、サイトでターゲットのどういった課題を解決するのか、必要な予算や期間はどれくらいかなどを具体的に詰めていくことが必要です。
逆に、ターゲットや解決すべき課題、費用な予算や期間などが曖昧だと各制作フローで円滑に作業が進まず、自社の果たしたい目的を達成できないWebサイトが開発されてしまう可能性が高まります。
つまり、Web制作会社にWebサイト制作を依頼する場合でも、発注元は制作フローを把握しておく必要があるのです。
web制作のフローは主に4つ
Webサイト制作のフローは主に以下の通りです。
- 企画
- サイト設計
- 制作
- テスト・公開・運用
上記のうち、最初の企画とサイト設計は自社であらかじめ済ませておく必要があります。
外部企業に発注するとは言っても、その企業は自社がサイト運用を通して達成したい目的やサイトのターゲット、どのようなコンセプトを打ち出したいかを知りません。これらのことは制作会社を選定して発注する前に、自社で決めておかなければならないのです。
つまり、自社と制作会社が同じイメージを共有し、共にWebサイトの完成というゴールに向けて歩んでいく必要があるのです。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
WEBサイト制作の4つの流れとは?期間・ToDo・注意点つきで徹底解説【2023年最新】
自社で準備できるポイント【企画・サイト設計】
Webサイト制作のフローの中で、企画・サイト設計のフェーズは制作会社と自社が同じイメージを持つため、非常に重要なフェーズとなっています。
イメージを共有できないと、サイトの構造やデザインを決めていくフェーズで双方の認識がズレていき、結果として「思っていたものと違うサイト」が納品される可能性が高くなってしまいます。
自社の目的に沿ったサイトが納品されるためには、積極的に制作会社との議論を重ね、相手にサイトのターゲットやコンセプト、各種要望を連絡することが必要です。
下記では、企画からサイト設計で自社で準備しておくポイントや方法をご紹介します。
【企画】目的・方向性・ペルソナ設定
一番重要な要素がサイトの目的です。達成したい目的によってWebサイトの種類が変わってきます。ここでの目的とは、例えば以下のようなことです。
- 顧客を増やしたい
- 自社の認知度を上げたい
- 売上をアップさせたい
- 問い合わせ件数を増やしたい
- 自社ブランドの知名度を上げたい(ブランディング)
これらをさらに詳細に詰めていき、具体的な数値で想定する目標を提示すると効果的でしょう。例えば、資料請求を月5件から月15件にアップさせるなどです。
RFP(Request For Proposal)という提案依頼書を作成しておくと、制作会社との認識のすり合わせがスムーズになります。このRFPにはサイトの目的やペルソナ、予算、納期、サイトに取り入れたい機能などの項目を全て明記します。
RFPを事前に作成しておく段階で、目的に合ったサイトの種類(企業Webサイト、オウンドメディア、LPなど)も決めておきましょう。
【企画】競合のリサーチ・分析
続いて、サイトに必要なコンテンツを決めていくために、市場調査や競合をリサーチするフェーズです。
通常、競合のリサーチと分析は制作会社のマーケターやディレクターが担当するフェーズですが、自社の強みを洗い出すのに重要なので自社でもやってみましょう。
競合他社を分析する際は、3C分析というマーケティング環境分析のフレームワークを使用することがおすすめです。
3CはCustomer(市場顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)の頭文字をとったものであり、このフレームワークを使うことで市場の動向を把握できます。
具体的には以下の3つの観点から分析を進めていきます。
- Customer:顧客の特徴やニーズの掘り下げ
- Competitor:競合のシェア、競合の商品やサービスはどんなものか、顧客の評価
- Company:自社のシェア、自社の商品やサービスの特徴、顧客からの評価
分析が難しいのであれば、自社のサービスでこだわっていること、他社はやっていないが自社はやっていること、顧客の課題解決で自社が提供できていることを顧客に確認しましょう。
競合他社のWebサイト施策やSNSマーケティング、Web広告といったマーケティング施策を調査し、それらをWebサイトとどのように連携させているかも確認します。
分析データを参考にし、競合と比較した自社の強みやその強みをどのようにWebサイトに反映させ、他社との違いを出していくかを決定します。
【企画】サイトのコンセプト
Webサイトのコンセプトを決めるフェーズでは、サイトで伝えたいメッセージは何かを具体化します。
コンセプトはサイト全体の構築やデザインなどのWebサイト制作全体における基本指針であるため、きちんと練り込むことが大切です。コンセプトはサイトの目的やユーザーターゲット層(ペルソナ)、競合リサーチなどを参照して決めていくと良いでしょう。
コンセプトを決める際は、20文字程度のキャッチコピーを作成し、それを深堀りしていくことがおすすめです。
【サイト設計】サイトマップ作成
サイトマップとは、閲覧者や検索エンジンに対してWebサイト上にどのようなページやコンテンツがあるかを伝えるためのサイト構成図のことです。
サイトマップは制作の過程で決定していくものなので、必ずしも自社で作成しておく必要はありません。しかし自社で事前に作っておくことで、サイト全体のボリュームがわかりやすくなり、制作会社の担当者側にとっては工数を算出して正確な見積もりを出しやすくなります。
工数がわかると見積もりを出しやすくなるため、なるべく自社の社内で作成しておきましょう。
依頼前に作成するサイトマップはラフなもので良く、競合サイトを研究してみたり、必要なコンテンツを書き出してみたりして、構造化していきましょう。
【サイト設計】要件定義
要件定義とは、Webサイト制作で実装する範囲や具体的な内容を決めるための工程です。
今まで決めてきた複数の内容を踏まえ、ページやコンテンツ、機能やシステム、メニュー、スマホ表示などサイト全体の仕様を決定します。
通常は制作会社がクライアントからヒアリングして要件定義書を作成しますが、このステップで決めたことは後から変更が利かない場合があるので、自社も気になる点がないかをよく確認しましょう。
認識に相違があって修正を依頼すると、修正に時間がかかって追加費用が発生することもあるので、要件定義はしっかりと確認、検討しましょう。
要件定義を済ませた後は、制作会社の手で実際にページ全体のレイアウトを定めたワイヤーフレームという設計図を作成し、実際のコンテンツをコーディングで実装していきます。実装後は各種機能の動作確認を行い、サーバー上にアップ、リリースして完了です。
サイト公開後は何もしなくてよい?
Webサイトをネット上に公開、掲載した後は、保守運用も必要なことに注意しましょう。
Webサイトを正しく運用するためには、定期的なメンテナンス対応と更新が欠かせず、運用環境のアップデートや画像を含む情報の更新、改善などを常に実行できるようにすることが大切です。
また、検索エンジン上位に表示させるためのSEOを実行することで、訪問者数を増やすことが可能なため、集客強化という面ではWebマーケティングも必要になってきます。
しかし、知識がないと実行することは難しいので、運用〜マーケティングまでをサポートしてくれる制作会社に依頼することがおすすめです。
また、サイトを公開した後に自社でも更新を行うのであれば、制作会社側に操作マニュアルを用意してもらうことで円滑な運用が可能になります。
まとめ
自社の目的を達成できるWebサイトを制作するには、制作フローを把握し、サイトのメインターゲットやターゲットのどういった課題を解決するのか、必要なページ数や制作に必要な料金の額などを決めていくことが大切です。
そのため、競合を分析し、Webサイトのコンセプトや内容を詳細に詰めていくことで制作はスムーズに進みます。Webサイト制作を制作会社に外注する前に、自社で要件定義を済ませておきましょう。
NERDはWeb制作の実績や経験が豊富です。サイトで達成したい目的が自社だけでは洗い出せないなど、お困りごとはサポートいたします。公開後の運用も行っておりますので、お気軽にご相談ください。