Webサイト制作|ホームページ管理費で損しない7つのポイント

「制作費は理解できたが、ホームページの管理費が本当に妥当なのか自信がない」「見積書に“保守費一式”とだけあり、内容がよく分からない」。そんな不安を抱えるWeb担当者や事業者の方は少なくありません。本記事では、Webサイト制作後に発生するホームページの管理費について、相場感から内訳、委託範囲の決め方、見積書で注意すべきポイントまでを体系的に整理し、管理費で損をしないための実践的な判断基準を解説します。

目次

ホームページの管理費とは何かを整理する

ホームページの「管理費」とは、公開したWebサイトを安全かつ安定して運用し、必要な更新を行うために継続的に発生する費用のことです。初回の制作費とは性質が異なり、サイトを持っている限り発生し続ける“ランニングコスト”と整理すると理解しやすくなります。

管理費に含まれる代表的な項目は、サーバー・ドメイン・SSLなどの「維持」に関する費用、バックアップやセキュリティ対策などの「保守」に関する費用、お知らせ更新やページ追加、アクセス解析や改善提案などの「運用」に関する費用です。

重要なポイントは、管理費=制作会社への月額支払いの総額ではなく、「どの作業にいくら払っているか」で分解して考えることです。管理費の中身を理解していないと、相場より高いプランを契約していたり、自社で対応できる作業まで外注してしまい、気づかないうちに損をしている可能性があります。

制作費と管理費・運用費の違いを理解する

ホームページにかかる費用は、大きく「制作費」と「管理費・運用費」に分かれます。制作費はサイトを新規構築・リニューアルするための初期費用、管理費・運用費は公開後にサイトを維持し、成果を高めるための継続費用です。

制作費には、企画・構成、デザイン、コーディング、システム開発、原稿作成、写真撮影などが含まれ、支払いは基本的に一度きりです。一方、管理費・運用費には、サーバー・ドメイン・SSLといったインフラ費用、WordPressなどCMSの保守、セキュリティ対策、バックアップ、更新作業、アクセス解析や改善提案など、毎月または年単位で発生する費用が含まれます。

両者を混同すると「制作費は安いが、管理費が高すぎる」「管理費にどこまで含まれているか分からない」といったトラブルにつながります。見積もりでは、初期費用(制作)と月額費用(管理・運用)を分けて確認し、何が含まれているかを一覧で把握することが重要です。

「維持」「保守」「運用」で分けて考える重要性

ホームページの「管理費」と一口に言っても、内容は大きく「維持」「保守」「運用」に分かれます。この3つを分けて考えないと、不要な作業までセットになった高額プランを契約してしまうリスクが高まります。

  • 維持:サーバー・ドメイン・SSLなど、サイトを「表示させ続けるための固定コスト」。止めるとサイト自体が消える性質の費用です。
  • 保守:WordPressやプラグインのアップデート、セキュリティ対策、バックアップ、トラブル対応など、不具合や事故を防ぐための費用です。
  • 運用:お知らせ更新、ページ追加、バナー差し替え、アクセス解析・改善提案、SEO・広告連携など、成果を高めるための活動全般です。

維持・保守は「必須コスト」、運用は「投資コスト」と整理すると、自社でやるべき範囲と制作会社に任せる範囲が見えやすくなります。次の「相場感」を考える前提として、自社の管理費がどの層に重心を置いているのかを意識しておくことが重要です。

ホームページ管理費の相場感をざっくり把握する

ホームページの管理費は、「誰がどこまで対応するか」×「サイトの役割」で大きく変わります。まずは全体の目安を把握しておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

運用体制 おおよその月額目安(税込) 想定される内容の例
自社でほぼ管理 0〜5,000円前後 サーバー・ドメイン維持、簡単な更新を自社で対応
更新の一部のみ
制作会社に依頼
1万〜2万円程度 テキスト・画像差し替え、簡単なレイアウト修正など
運用全般を
制作会社に委託
2万〜5万円程度 保守、定期更新、障害対応、簡易レポートなど
集客や改善施策まで
幅広く依頼
5万円〜数十万円以上 SEO、コンテンツ制作、広告運用、改善提案まで包括

重要なポイントは、金額だけで比較せず「どの作業が含まれているか」を必ず確認することです。次の見出しから、自社で管理する場合・一部委託・全面委託・集客込み、とパターン別にもう少し具体的な費用感を見ていきます。

自社でほぼ管理する場合の費用イメージ

自社で管理を行う場合の費用は、サーバー・ドメイン・SSLといった「インフラ費用」が中心になります。一般的な小規模〜中規模サイトであれば、以下のようなイメージが目安です。

費用項目 年間のおおよその費用感
レンタルサーバー費用 5,000〜20,000円程度
独自ドメイン費用 1,000〜3,000円程度
SSL証明書費用 0〜10,000円程度(無料も多い)
CMS有料プランなど 0〜30,000円程度
合計目安 年間6,000〜60,000円程度

制作会社に運用を委託しない場合、金額としては月額500〜5,000円程度で収まるケースが多い一方で、更新作業やトラブル対応を社内で行う工数が発生します。特にWordPressなどを利用する場合は、ソフトウェア更新やバックアップなど、「お金はかからないが手間がかかる作業」が増える点を考慮しておくことが重要です。

一部を制作会社に任せる場合の相場水準

一部の業務を制作会社に委託する場合、月額の管理費の目安はおおよそ1万〜3万円前後になります。自社で更新できない部分だけを外注するケースが多く、費用は「どこまで任せるか」で変動します。

委託内容の例 想定される月額相場(税込目安)
テキスト差し替え・簡単な画像入れ替え(月数回) 1万〜1万5,000円
上記+ニュース更新代行、軽微なレイアウト調整 1万5,000〜2万5,000円
更新代行+軽いセキュリティやバックアップ対応 2万〜3万円

多くの企業では「サーバー・ドメインは自社管理」「日々の簡単な更新は社内」「少し手間のかかる更新やトラブル対応のみ制作会社に依頼」という線引きを行うことで、フル委託よりもコストを抑えつつ、最低限の安心感を確保しています。見積もりを取る際は、毎月の想定作業時間や更新回数の上限が含まれているかを併せて確認すると、コストと作業範囲のバランスを判断しやすくなります。

運用全般を制作会社に委託する場合の相場水準

運用全般を制作会社に委託する場合、月額の管理費はおおよそ3万〜8万円前後が一つの目安になります。ここでの「運用全般」とは、サーバー・ドメイン等の技術的管理に加えて、定期的な更新対応、簡易なバナー制作、アクセスレポート、軽微な改善提案などを継続的に任せるケースを指します。

相場感のイメージは下記の通りです。

月額費用の目安 想定されるサービス内容例
3万〜5万円 サーバー・ドメイン管理、月数回の更新対応、簡易レポート
5万〜8万円 上記+軽微な改修・バナー制作、定例ミーティング、改善提案

ただし、ページ数が多いコーポレートサイトや多言語サイトでは10万円以上となるケースも珍しくありません。見積もりを確認する際は、「どこまでが月額に含まれ、どこからが別途見積もりになるのか」を必ず明文化してもらうことが、管理費で損をしないための重要なポイントです。

集客施策まで含めて依頼する場合の費用感

集客施策まで含めて制作会社に任せる場合、月額の目安は10万円〜数十万円以上になるケースが多くなります。制作会社が「運用+集客」を一括で担うため、管理費というより「マーケティング投資」に近い性格です。

典型的な費用レンジと内容のイメージは次の通りです。

月額費用帯 想定される内容の一例
10〜20万円 基本保守+月数本のコンテンツ制作+簡易SEO対策+レポート提出
20〜50万円 上記に加えて、広告運用(月数十万円規模)やLP改善、分析ミーティングなど
50万円〜 戦略設計から継続的な改善、複数チャネル広告運用、マーケ専任チームが伴走

重要なのは、費用だけでなく「何にいくら使い、どんなKPIを追うのか」を明確にすることです。広告費と管理費(運用代行費)を分けて見積もれるか、レポート頻度や改善提案の範囲がどこまでかも必ず確認すると、後のトラブルや「思ったほど成果が出ない」というギャップを防ぎやすくなります。

管理費の内訳を項目ごとに分解して理解する

ホームページの管理費は、「何にいくら支払っているのか」を分解して理解することが重要です。管理費の主な内訳は、インフラ(サーバー・ドメイン・SSL)、システム利用料(CMS・制作ツール)、作業工数(更新・監視・保守)、そして分析・改善に関する費用に整理できます。

代表的な項目を一覧にすると、次のようになります。

区分 項目 代表的な内容
インフラ レンタルサーバー費用 サーバー利用料、メールアカウント、
容量・転送量など
独自ドメイン費用 「◯◯.com」などの取得・更新費用
SSL証明書費用 常時SSL化(https)に必要な証明書費用
システム CMS・制作ツール利用料 WordPress管理費、有料CMS、
ノーコードツールの利用料など
作業 更新作業費用 テキスト修正、画像差し替え、
ページ追加などの作業工数
監視・障害対応・バックアップ費用 サイト監視、復旧対応、データバックアップ運用
分析
改善
アクセス解析・レポート・改善提案費用 GAなどの設定・月次レポート・改善施策の提案
集客寄り SEO・広告などWebマーケ費用 内部SEO、コンテンツSEO、広告運用代行など

同じ「月額◯万円の管理費」という見積もりでも、上記のどこまでを含んでいるかで価値は大きく変わります。各項目の有無と水準を把握したうえで、次項以降で単価の目安や選び方を確認し、自社のサイトに本当に必要な範囲を見極めることが重要です。

レンタルサーバー費用の目安と選び方

レンタルサーバー費用は、ホームページの規模と重要度によって大きく変わります。中小企業や士業のコーポレートサイトであれば、共用サーバーで月額1,000〜3,000円程度が一般的な目安です。アクセス数が多いメディアサイトやECサイト、機密性の高いシステム連携がある場合は、専用サーバーやクラウドサーバーを利用し、月額1万円以上になるケースもあります。

代表的な料金帯と用途のイメージは次の通りです。

料金帯(月額) サーバー種別・イメージ 主な用途例
〜1,000円前後 低価格共用サーバー 個人サイト、簡易な会社案内ページ
1,000〜3,000円程度 ビジネス向け共用サーバー 中小企業のコーポレートサイト
3,000〜10,000円程度 高性能共用サーバー/小〜中規模クラウド アクセス多めのメディア・予約サイト
10,000円以上 専用サーバー/中〜大規模クラウド ECサイト、大規模Webサービス

選び方のポイントは、①想定アクセス数とページ数、②SSLやバックアップ、WAFなどのセキュリティ機能が標準で含まれているか、③サポート体制(電話・チャットの有無、対応時間)、④WordPressなど利用予定CMSとの相性、の4点です。特に中小企業では、費用を数百円抑えるよりも、安定稼働とサポートの充実を優先した方が、長期的なトラブルと機会損失を防ぎやすくなります。

独自ドメイン費用の目安と契約上の注意点

独自ドメインの費用は、年間1,000〜3,000円程度が一般的です。例えば「.com」「.jp」であれば年間1,000〜4,000円前後、「.co.jp」のような法人向けドメインは年間4,000〜7,000円程度が目安です。複数年契約やキャンペーン価格は安く見えますが、更新費用の金額を必ず確認することが重要です。

契約上の最大の注意点は、ドメインの名義(所有者)を自社にしておくことです。制作会社名義で取得されると、乗り換えや解約の際にトラブルになることがあります。また、支払い方法や更新日の管理を自社で把握しておかないと、更新忘れによるドメイン失効のリスクが高まります。

ドメイン料が管理費に含まれている場合は、年額・更新時の価格・名義人・解約時の取り扱い(移管の可否・費用)を見積書や契約書で明記してもらうと安心です。

SSL証明書費用と無料化の可否を確認する

SSL証明書は、サイトとユーザー間の通信を暗号化し、URLを「https」にするための仕組みです。いま新規でホームページを制作する場合、SSLは必須であり、証明書費用の有無は管理費を比較するうえで重要なポイントになります。

代表的な費用イメージは次の通りです。

種類 年額目安 特徴
無料
(Let’s Encryptなど)
0円 多くのレンタルサーバーが標準提供
自動更新対応が一般的。企業認証は無し
DV
(ドメイン認証)
数千円〜
1万円台
小〜中規模サイト向け
ブランド証明書(例:GeoTrustなど)を使いたい場合に選択
OV/EV
(企業・拡張認証)
数万円〜 企業実在性の証明が必要な金融系・大規模サービス向け
中小企業コーポレートサイトでは過剰なことが多い。

多くの中小企業サイトでは、サーバーが提供する無料SSLで十分なケースが大半です。 そのため、制作会社の見積もりに「SSL費用」として追加料金が入っている場合は、

  • 利用するサーバーで無料SSLが使えるか
  • 有料証明書を使う理由(セキュリティポリシーや規模)
  • 証明書費用が初期費用か、毎年のランニングコストか

を必ず確認し、不要な上位グレード証明書や二重請求になっていないかをチェックすることが重要です。

CMSや制作ツール利用料に含まれる内容

CMSやホームページ制作ツールの利用料には、「単なるツール代」だけでなく、複数の要素が含まれることが多くあります。何にいくら支払っているのかを分解して把握することが、管理費で損をしない第一歩です。

代表的な内容を整理すると、次のようになります。

項目 具体的な内容例 費用形態の例
アカウント利用料 CMS本体、ノーコードツール、フォーム機能など 月額・年額のライセンス料
容量
トラフィック上限
画像・動画の保存容量、PV数やデータ転送量の上限 プランごとの従量課金・上位プラン差額
追加機能
アドオン
会員機能、予約システム、決済機能、ブログ機能など オプション月額、1機能ごとの追加料金
サポート
アップデート
マニュアル、メールサポート、バグ修正、機能改善 利用料に込み/有償サポートプラン
テンプレート
アセット利用権
デザインテンプレート、アイコン、フォントなど 無料テンプレ+有料テーマの購入費用

制作会社経由でCMSを利用する場合、「ツール利用料」と「制作会社の管理・運用工数」がセットになって月額管理費に含まれているケースも多く見られます。見積書では、

  • CMS自体のライセンス料はいくらか
  • 制作会社の保守・更新作業費とどこまでがセットか

を分けて確認することで、他社との比較や将来的な乗り換えの判断がしやすくなります。

更新作業費用の単価と見積もりの見方

更新作業費用は、「単価 × 作業量」で構成されると考えると整理しやすくなります。よくある単価イメージは次のとおりです。

作業内容の例 課金単位 目安単価(相場イメージ)
文章差し替え・軽微な文言修正 1回 / 30分以内 3,000〜8,000円
画像差し替え・バナー差し替え 1点 3,000〜1.5万円
新規ページ追加(テンプレ活用) 1ページ 1万〜5万円
ランディングページなどの新規制作 1ページ 5万〜20万円以上

見積書では、「どの作業を、何単位で、いくらで計算しているか」を確認することが重要です。特に、次のポイントをチェックすると、管理費での損失を防ぎやすくなります。

  • 時間単価(1時間いくらか)が明記されているか
  • 更新作業の「最低料金」(例:30分未満でも1時間分請求など)があるか
  • 画像作成やバナー制作が、テキスト更新と別単価になっているか
  • 「更新作業一式」の中に、どこまで含まれるかが具体的に書かれているか

単価だけでなく、更新頻度とボリュームを踏まえて「月にどのくらい発生しそうか」を試算し、月額管理費と比較することが、妥当性を判断する近道です。

監視・障害対応・バックアップ費用の考え方

監視・障害対応・バックアップに関する費用は、「トラブルが起きたときの損失をどこまで許容するか」で考えると整理しやすくなります。単に「付けるか・付けないか」ではなく、リスクとコストのバランスで判断することが重要です。

項目 よくある提供内容 費用の目安
監視 死活監視、エラー監視、異常時メール通知 月3,000〜1万円前後
障害対応 復旧作業、ベンダーへのエスカレーション、原因調査 月額固定+都度1〜3万円/回
バックアップ データ・ファイルの自動バックアップ、リストア作業 月2,000〜1万円前後

重要なのは、

  • 監視の対象(サーバーのみか、Webアプリも含むか)
  • 対応時間帯(平日のみか、24時間365日か)
  • 復旧のSLA(何時間以内に対応するか)
  • バックアップの頻度と保管期間(毎日/毎週、30日保管など)

書面で明確にしておくことです。費用を抑えたい場合は、「営業時間内のみ対応」や「重大障害時のみ個別見積もり」など、優先順位をつけてサービスレベルを調整するとよいでしょう。

アクセス解析・レポート・改善提案の費用

アクセス解析に関連する費用は、「ツール利用料」と「人が行う分析・レポート・改善提案の工数」に大きく分かれます。GoogleアナリティクスやSearch Console自体は無料ですが、ヒートマップや録画ツール、ダッシュボードツールなどを使う場合は、月額数千円〜数万円程度が一般的です。

レポートや改善提案を制作会社に依頼する場合は、内容と頻度で金額が変わります。目安として、月次レポート(数ページ+簡単なコメント)で1〜3万円前後、改善提案を含む場合は3〜10万円程度を請求されるケースが多く見られます。管理費の中に「アクセス解析・レポート」が含まれている場合は、

  • どのツールを使うのか(有料ツールの有無)
  • レポートの頻度(毎月/四半期など)
  • レポートのボリューム(自動出力のみか、解説付きか)
  • 改善提案が「提案のみ」か「実装まで含む」か

を必ず確認すると、他社との比較がしやすくなります。単に数値を並べるだけのレポートなのか、改善アクションまで落とし込んでくれるのかを見極めることが、費用対効果を判断するポイントです。

SEOや広告などWebマーケ費用との線引き

Webマーケティング関連の費用は、「サイトを動かすための必須コスト」と「集客や売上を伸ばすための投資」を分けて考えると整理しやすくなります。管理費の中にマーケ費用がどこまで含まれているかを明確にしておくことが重要です。

区分 典型的な内容 管理費に含めるかの目安
維持
保守
サーバー、ドメイン、SSL、
バックアップ、不具合修正
基本的に管理費に含める
運用 定期更新、アクセス解析の簡易レポート 管理費に含めるケースが多い
マーケティング SEO施策、コンテンツ企画、広告運用、
LPO、改善コンサル
原則は別枠(マーケ費用)で切り出す

「SEO対策込み」「集客サポート込み」といったプランの場合も、

  • どこまでが固定の管理費
  • どこからが成果創出のためのマーケ費用

を見積書・契約書で分けて記載してもらうことで、費用対効果を評価しやすくなります。特に広告運用費は「広告費そのもの」と「運用代行費」を分離して把握することが欠かせません。

Webサイト制作会社への委託範囲の決め方

Webサイト制作会社への委託範囲を決める際は、「何を・誰が・どこまで・どの頻度で対応するか」を言語化することが重要です。まず、サーバー管理・セキュリティ監視・バックアップなどの技術寄りの業務と、更新作業・コンテンツ制作・広告運用などのマーケティング寄りの業務を一覧化します。

次に、各業務について「自社で対応可能か」「工数と難易度はどの程度か」「トラブル時にどこまで責任を持てるか」を判断軸として整理します。そのうえで、自社でノウハウを持つべき中長期的な業務(例:日々のお知らせ更新・簡単な画像差し替え)と、専門性が高くリスクも大きい業務(例:サーバー・セキュリティ・システム改修)を切り分けると、委託範囲が明確になります。

最後に、制作会社と相談しながら、
- 月額で任せる「固定業務」
- 必要時のみ依頼する「スポット業務」
を分類して契約に落とし込むと、ムダな管理費を抑えつつ、必要なところには十分な予算を配分しやすくなります。

社内で対応すべき業務と外注すべき業務を整理する

社内と外注の役割を分ける際は、「専門性」と「頻度」と「緊急性」の3軸で整理すると判断しやすくなります。

区分 社内対応が望ましい業務 外注した方が効率的な業務
コンテンツ お知らせ更新、ブログ・事例作成、
商品情報更新など、事業内容に密着した情報発信
原稿のリライト、LP制作、写真・動画のプロ撮影
編集などクリエイティブ制作
技術
保守
簡単な文言修正、画像差し替え、
問い合わせ対応内容の確認
サーバー設定、セキュリティ対策、バックアップ
復旧、CMSアップデート、機能追加開発
マーケティング キャンペーン企画の方向性決定、
KPI設定、社内調整
SEO内部施策支援、広告運用代行、
アクセス解析レポート作成と改善提案

基本的には、自社の強みやノウハウに直結する部分(コンテンツの中身やサービス説明)は社内で持ち、専門技術や運用ノウハウが必要な部分は外注するイメージを持つと、ムダな管理費を抑えながら成果につながりやすくなります。

更新頻度から月額契約かスポット依頼かを判断する

更新頻度は、月額契約かスポット依頼かを判断するうえで最も重要な基準です。目安として「毎月定期的に何かしら更新が発生するかどうか」で分けて考えると判断しやすくなります。

更新頻度・内容 おすすめ形態 理由
年に数回のお知らせ修正のみ スポット依頼 固定費を抑え、必要なときだけ支払う方が総額が安い
月1〜2回程度のテキスト
画像差し替え
低額の月額 or スポット 作業単価と月額費を比較し、安い方を選ぶ
週1回以上の更新、
ブログ・商品登録など
月額契約 都度対応よりも単価が下がり、依頼・調整コストも軽減
毎日〜週数回、
キャンペーン運用など
月額契約+別途施策費 運用体制を組んだ方がスピードと品質を確保しやすい

判断時には、直近だけでなく半年〜1年の更新計画を作成し、「想定される依頼回数 × スポット単価」と「月額料金×12カ月」を比較すると、どちらが自社にとって合理的か見えやすくなります。さらに、緊急対応の有無やレポートの有無など、付帯サービスも含めて総合的に比較することが重要です。

マーケティング担当と役割分担を明確にする

社内のマーケティング担当と制作会社の役割が曖昧なまま進めると、管理費の二重払い・抜け漏れ・成果責任の押し付け合いが発生しやすくなります。管理費の検討段階で「誰が何をどこまで行うか」を一覧化して共有することが重要です。

役割分担の整理では、少なくとも次のような観点で仕分けすると判断しやすくなります。

項目 社内マーケ担当が担うべき業務例 制作会社が担うべき業務例
戦略
KPI設定
事業目標の設定、Webで達成したいKPIの定義 KPI達成に向けたサイト改善案の提案
コンテンツ企画
原稿
企画テーマ決定、専門情報のたたき台作成 ライティングの体裁調整、デザイン反映
更新
運用フロー
更新依頼の優先順位付け、社内承認フローの管理 実際の更新作業、テスト・公開作業
解析
改善サイクル
Googleアナリティクスや
Search Consoleの定期チェック
詳細レポート作成、技術面を含めた
改善案の実装

管理費に含まれる作業を決める際には、上記の表をベースに「マーケティング担当の稼働時間」「社内にない専門スキル」「外注した方がスピード・品質で有利な領域」を軸に線引きすると、過不足の少ない役割分担になります。

管理費で損しないための7つのチェックポイント

ホームページの管理費で損をしないためには、「いくら払うか」よりも「何に対して払うか」「成果に見合っているか」を常に確認する姿勢が重要です。月額費用だけを見るのではなく、契約形態や作業範囲、更新のしやすさ、自社で内製できる範囲など、複数の観点から総合的に判断する必要があります。

特に、サーバー・ドメイン名義や、どこまでを固定料金に含めるか、CMSを使ってどこまで社内更新できるか、管理費に含まれる作業内容の明文化、複数社の見積もり比較、そして管理費と売上・問い合わせ数などのKPIを紐づけて評価することが、コストを無駄にしないためのポイントです。続く7つのポイントでは、実際にどのように確認・判断すべきかを具体的に解説していきます。

ポイント1:サーバーとドメインは極力自社名義で契約する

ホームページの管理費で損をしないためには、サーバーと独自ドメインを自社名義で契約・管理することが最重要項目のひとつです。制作会社名義のままにすると、以下のようなリスクが発生します。

  • 契約内容や更新費用がブラックボックス化し、相場より高くても気づきにくい
  • 制作会社を変更したいときに、移管手続きでトラブルになりやすい
  • 制作会社側の不祥事・倒産などがあった場合、サイトそのものにアクセスできなくなる可能性がある

反対に、自社名義で契約しておけば、制作会社を乗り換える際も「サーバーのログイン情報」と「ドメイン管理情報」を共有するだけで移行がしやすく、交渉力も高まります。新規制作やリニューアルの打ち合わせ段階で、「サーバーとドメインは自社名義で契約したい」と必ず伝え、契約書にも明記しておくことが重要です。

ポイント2:やらない作業を先に決めてプランの無駄を防ぐ

管理費のムダを削るうえで重要なのは、「何をやるか」より先に「何をやらないか」を決めることです。制作会社の管理プランには、貴社には不要な作業が含まれている場合があります。

まず、次のようなリストを作成すると整理しやすくなります。

区分 具体例 方針
社内でやる作業 お知らせ更新、ブログ投稿、画像差し替えなど CMS操作で対応する
外注したい作業 デザイン調整、テンプレート修正、フォーム追加など 見積もり対象に含める
今はやらない作業 多言語対応、複雑なキャンペーンLP作成など 将来のオプションとして保留

このように、「社内でやる」「外注する」「当面やらない」を事前に分けておくと、

  • 不要な「更新無制限」「毎月レポート」などの高額プランを避けやすくなる
  • 見積もり依頼の時点で、必要な作業だけをピンポイントで依頼できる
  • 将来必要になる作業もオプションとして整理しやすい

結果として、自社の運用スタイルに合わない「盛りすぎプラン」への加入を防ぎ、管理費を適正な水準に保てます。

ポイント3:固定の月額料金と都度見積もりを比較検討する

固定の月額料金は「毎月いくら払うか」が明確で、予算計画が立てやすい一方で、更新が少ない月でも同じ金額が発生します。都度見積もり(スポット対応)は、依頼した分だけ費用がかかる仕組みのため、更新頻度が低いサイトではコストを抑えやすい反面、依頼のたびに見積もり・発注の手間が増え、単価が割高になる場合があります。

目安として、月1回以上の更新やレポートが発生する場合は月額契約、年数回程度であれば都度見積もりを第一候補とすると判断しやすくなります。さらに、保守・障害対応などは月額、バナー作成や特集ページなどは都度見積もりといった「組み合わせパターン」も検討すると、無駄を抑えつつ必要なサポートを確保しやすくなります。

ポイント4:CMS活用で社内更新の範囲を広げる

CMS(WordPressやMovable Type、各種クラウドCMSなど)を活用すると、ニュース更新や画像差し替え、文言調整などを社内で対応できる範囲が大きく広がります。制作会社に依頼しないと触れない領域を減らすことが、管理費削減の大きなポイントです。

まず、どの更新作業を社内で行いたいかを洗い出し、その操作がノーコードで完結するCMSかを確認します。ニュース投稿、ブログ記事、事例追加、バナー差し替え、フォーム文言の変更など、頻度が高い作業ほどCMSで簡単に行える設計にしておくと効果的です。

導入時には「更新マニュアル」と「更新権限のルール」も必須です。担当者が変わっても更新が止まらないように、操作手順をドキュメント化し、本番反映前にプレビュー確認や承認フローを通す仕組みを用意すると、品質を維持しながら社内更新の割合を増やせます。

ポイント5:管理費に含まれる作業内容を細かく書面化する

管理費で損をしないためには、毎月の料金に「どの作業が、どの頻度・どの範囲まで含まれているか」を必ず書面で明文化することが重要です。口頭説明や営業資料だけに頼ると、「そこまで含まれていない」「別途見積もりになる」というトラブルにつながります。

書面化する際は、次のような項目に分けて整理すると内容が把握しやすくなります。

区分 具体的な項目例 書面で明記したいポイント
技術保守 バージョンアップ、バックアップ、障害対応 対応時間帯/緊急時の連絡方法/追加料金が発生する条件
更新作業 テキスト修正、画像差し替え、ページ追加 月◯回まで・合計◯時間まで、
ページ追加は何ページまでなどの上限
分析
報告
アクセス解析、レポート、定例ミーティング レポート頻度、ミーティング時間、改善提案の有無

さらに、「含まれる作業」と同時に「含まれない作業」も明記しておくと、追加費用の線引きが明確になります。見積書だけで不十分な場合は、管理・保守業務の一覧表やSLA(サービスレベル)として別紙を作成し、契約書とセットで保管すると、社内の引き継ぎや制作会社の変更時にも混乱を防ぎやすくなります。

ポイント6:複数社から相見積もりを取り単価を比較する

相見積もりを取る目的は、単に「一番安い会社を探すこと」ではなく、同じ内容で依頼した場合の単価水準とサービス差を可視化することです。そのためには、まず管理費に含めたい作業内容を一覧化し、各社に同じ条件で見積もり依頼を行うことが重要になります。

比較する際は、合計金額だけでなく、以下の観点で整理すると判断しやすくなります。

比較軸 確認ポイント
月額単価 サーバー・ドメイン・更新作業など、項目別の単価が妥当か
作業範囲 月額料金でどこまで対応するか、上限回数や時間の条件
追加料金 スポット対応時の時間単価、休日・夜間対応の加算など
契約条件 最低契約期間、途中解約の可否、自動更新の有無

特に、「安いが作業範囲が狭いプラン」と「高いが改善提案まで含むプラン」のように、金額と内容のバランスを見比べることで、自社の目的に合った管理費を選びやすくなります。少なくとも2〜3社から見積もりを取得し、社内で表形式にまとめて検討すると判断ミスを防げます。

ポイント7:管理費を売上や問い合わせ数と紐づけて評価する

管理費を「毎月いくら払っているか」だけで判断すると、費用対効果が見えづらくなります。必ず、売上や問い合わせ数などの成果指標とセットで評価することが重要です。

まず、ホームページの目的から主要KPIを1〜2個に絞ります。

  • 問い合わせ獲得が目的:問い合わせ件数、問い合わせ率(CVR)
  • ECサイト:売上金額、購入件数、平均客単価
  • 資料請求・会員登録:資料請求数、登録数 など

次に、月間の管理費総額とKPIを並べて、「1件あたりいくらで問い合わせ(または売上)を得ているか」を算出します。

指標 計算例
問い合わせ1件あたりコスト 月額管理費 ÷ 月間問い合わせ件数
売上に対する管理費比率 月額管理費 ÷ 月間売上高

過去数か月〜1年分を比較し、「費用は増えたが成果も伸びているのか」「費用だけ増えていないか」を確認します。成果が頭打ちの場合は、プランの見直しや運用方針の変更を制作会社と協議する判断材料になります。

ケース別:企業規模とサイト目的ごとの適正管理費

ホームページの管理費は、企業規模やサイトの目的によって「適正水準」が大きく変わります。同じ月額3万円でも、名刺代わりのサイトなのか、売上の大半を生むECサイトなのかで、安いか高いかの評価はまったく異なります。

目安としては、

区分 サイトの役割イメージ 管理費の目安(税別)
小規模事業・士業 会社案内・問い合わせ窓口 月額0〜1万円前後
一般的な中小企業サイト 採用・問い合わせ・資料請求など 月額1〜3万円前後
EC / リード獲得サイト 売上・リードの主要チャネル 月額3〜10万円以上

重要なのは、「規模×役割」から必要な作業を洗い出し、その工数に見合った管理費かどうかを判断することです。次の見出しから、タイプ別に必要な管理体制と費用感を具体的に整理していきます。

小規模事業・士業サイトで必要な最低限の管理体制

小規模事業や士業のホームページでは、まず「止まらない・乗っ取られない・情報が古くならない」ことを最低ラインとして管理体制を整えることが重要です。目安としては、月額3,000~1万円程度のコストで、次の体制を確保することが一つの基準になります。

項目 最低限やっておきたい内容 担当の推奨 目安コスト
サーバー・ドメイン管理 契約更新の管理、プラン見直し 社内 or 制作会社 年1万~2万円
セキュリティ・バックアップ CMSやプラグイン更新、バックアップ取得 制作会社に委託が無難 月3,000~5,000円
コンテンツ更新 営業日・料金・スタッフ変更などの反映 可能な範囲は社内更新 月数千円~(頻度次第)

小規模・士業サイトの場合、アクセスが急増するケースは少ないため、高度なチューニングよりも、更新忘れの防止とセキュリティ対策を外さないことがポイントです。社内でテキストと画像の簡単な差し替えができるCMSを選び、技術的な保守(トラブル対応・セキュリティ)は制作会社に絞って依頼する形が、コストと安心感のバランスが良い管理体制と言えます。

中小企業のコーポレートサイトで意識すべき水準

中小企業のコーポレートサイトでは、「信頼性」と「採用・問い合わせへの貢献」を軸に、年額10万〜50万円程度の管理費を目安に検討するケースが一般的です。小規模サイトよりページ数・更新内容が増えるため、最低限の維持費に加えて、更新・保守をどこまで外注するかで水準が変わります。

代表的な水準イメージは次の通りです。

管理スタイル 月額の目安 主な内容
自社中心+スポット依頼 5,000〜15,000円 サーバー・ドメイン・SSL、自社で簡単更新、トラブル時のみ制作会社に依頼
基本保守+月数回の更新 15,000〜30,000円 上記+CMS保守、WordPress等のアップデート、ニュースや実績の更新代行
攻めの運用の入口 30,000〜50,000円 保守+アクセス解析レポート、改善提案、採用・問い合わせ増を意識した更新

重要な判断軸は、

  • 会社情報や採用情報の更新頻度(月数回なら保守+更新セットが現実的)
  • WordPressなどを利用する場合のセキュリティ・アップデート対応
  • 自社内にWeb・ITスキルを持つ担当者がどの程度いるか

コーポレートサイトでは、完全に「最低限の維持だけ」にしてしまうと、情報が古くなり信頼性や採用競争力が下がります。「サーバー・ドメイン・SSLは自社名義+基本保守は外注+更新は社内と外注を併用」というバランスを意識すると、費用対効果のよい水準になりやすくなります。

ECサイトやリード獲得サイトで重視すべき項目

ECサイトやリード獲得サイトでは、単に表示されているだけでなく、「売上」や「問い合わせ数」と直結する項目に管理費を重点配分する必要があります。特に重要なのは、サイト速度・安定稼働、カートやフォーム周りの保守、セキュリティ、計測環境、改善のための更新体制です。

重視すべき項目 理由・ポイント 管理費での位置づけ
サーバー・インフラ アクセス集中時も落ちない、
表示速度の確保
高性能サーバーやCDNの利用を検討
セキュリティ保守 個人情報・決済情報を
扱うためリスクが高い
WAF、脆弱性対応、バックアップの充実
カート・フォームの保守 不具合が即CVロスに直結する 障害対応SLAやテスト費用を明確化
計測・タグ管理 CV計測エラーは
判断材料の欠如につながる
GA・タグマネージャーの保守と検証
施策反映の更新枠 LP改善やABテストを回すための枠 月間の改修工数をあらかじめ確保

特に、「止まると致命傷になる部分(インフラ・決済・フォーム)」「意思決定の基盤となる計測環境」には、コーポレートサイト以上の管理費をかける前提で設計することが重要です。

見積書・契約書でチェックすべき管理費のポイント

見積書や契約書の段階で内容を把握しておくと、管理費のトラブルを大きく減らせます。特に重要なのは「範囲」「量」「条件」の3つを文字で明示させることです。

まず、管理費に含まれる作業範囲をチェックします。サーバー監視・障害対応・バックアップ・WordPressなどCMSのアップデート・プラグイン更新・セキュリティ対策・軽微な文言修正・ページ追加の有無などが、どこまで含まれるのかを具体的に確認します。

次に、更新対応の「量」を確認します。月あたりの更新回数、作業時間、ページ数の上限、問い合わせ対応のレスポンス時間や受付時間(平日9〜18時など)が、管理費の中にどこまで含まれているかを数値で明示してもらうことが重要です。

最後に、契約期間と途中解約条件、支払いサイト、サーバー・ドメインの名義、バックアップデータの所有権などの「条件」を確認します。見積書と契約書の記載内容に矛盾がないかを突き合わせて確認することも、後々のトラブル防止に有効です。

「◯◯一式」「保守費用一式」と書かれている場合の確認

「◯◯一式」「保守費用一式」といった表現は、内容が不明確なまま高額な管理費を支払う典型的な原因になります。見積書・契約書でこの文言を見つけた場合は、必ず以下を確認します。

確認すべきポイント 具体的に聞くべき内容の例
作業範囲 どの作業が含まれているのか(更新、バックアップ、監視、障害対応などを列挙してもらう)
対応頻度・回数 月に何回まで/何時間まで対応するのか、超過時の料金はいくらか
対応時間帯 平日のみか、夜間・土日祝も含むのか、緊急対応の有無と条件
成果物・レポート レポート提出の有無・頻度・内容、定例ミーティングの有無

「一式」と記載されている部分は、項目ごとに分解した内訳を文書でもらうことが重要です。口頭説明だけで済ませず、見積書の追記や仕様書として残しておくと、後々のトラブル防止につながります。

更新回数や対応時間の上限設定の有無を確認する

更新や問い合わせ対応を制作会社に任せる場合は、「月◯回まで」「月◯時間まで」といった上限設定の有無を必ず確認することが重要です。 上限が決まっていないプランでも、実務では「常識的な範囲」などのあいまいな基準で追加請求が発生するケースがあります。

見積書や契約書内で、以下の点をチェックしましょう。

チェック項目 確認したい内容の例
更新回数の上限 月3回まで/テキスト修正のみ など明記されているか
対応時間の上限 月2時間まで/電話サポート含む など時間が書かれているか
上限超過時の料金 1回◯円、30分あたり◯円など追加単価があるか
緊急対応の扱い 当日対応は別料金か、土日・夜間は割増か

上限と超過料金が明確になっていない契約は、予算超過リスクが高い契約と考えられます。 打ち合わせ時に具体例(「月にどの程度まで対応いただけるのか」)を出して、運用イメージを共有しておくと、トラブルを防ぎやすくなります。

途中解約やリニューアル時の条件を事前に把握する

管理費のトラブルで多いのが、途中解約やリニューアル時の条件を理解しないまま契約してしまうケースです。契約前に、少なくとも次の点は必ず書面で確認しましょう。

確認項目 具体的に確認すべき内容
解約可能時期 最低契約期間(1年・3年など)、自動更新の有無と更新サイクル
解約手続き 解約申請の期限(◯日前まで)、連絡方法(メール・書面のみなど)
解約金・違約金 中途解約時の残金支払いルール、違約金の有無・金額
データの扱い サイトデータの納品有無・形式、追加費用、サーバー移転サポートの有無
リニューアル時の費用 既存デザイン・コンテンツの流用可否、管理費がどう変わるか

特に、サーバー・ドメインの名義が誰になっているかと、解約後も利用できるかどうかは重要です。名義が制作会社のままでは、乗り換えやリニューアル時に自由度が大きく制限されます。契約書に明記されていない場合は、見積もり段階で必ず質問し、メールなど証拠が残る形で回答をもらうことが望ましいです。

よくある管理費の失敗パターンと対策

よくある管理費の失敗パターンと対策
Image: sigoto.net (https://sigoto.net/kanrihi/)

ホームページの管理費では、契約時には気づきにくい失敗パターンがいくつかあります。代表的な失敗は「高いのに成果が見えない」「安さだけで選んで何も進まない」「担当者がいなくなりブラックボックス化する」ことです。

いずれのパターンも、事前に「目的・役割・範囲」を言語化しておくことで多くは防げます。管理費の見積もりを受け取った際には、金額よりも先に、

  • どの業務が管理費に含まれているか(更新・保守・分析・提案など)
  • どの程度の頻度・ボリュームで対応してもらえるか
  • 成果や対応状況をどのように可視化・報告してもらえるか
  • 誰が窓口となり、どのようなフローで依頼ができるか

を確認し、書面で残すことが重要です。また、半年〜1年ごとに「費用と成果」の見直しを行い、必要に応じてプラン変更や会社の見直しを行う仕組みを用意しておくと、致命的な失敗に発展しにくくなります。

相場より高いのに成果につながっていないケース

相場より高い管理費を支払っているのに成果が出ていない場合、まず確認すべきポイントは次の3つです。「何に対してお金を払っているかが不明確」「KPIが設定されていない」「施策と結果の振り返りがない」状態は、費用対効果が見えない典型パターンです。

表にすると、問題点が整理しやすくなります。

観点 よくある問題 取るべき対策
契約内容 作業内容が「一式」で曖昧 内訳(更新回数・時間・レポート内容)
を明文化してもらう
目標設定 問い合わせ数やCVなどの目標がない 月次のKPI(問い合わせ数・CVR・アクセス数など)
を合意する
レポート アクセスレポートだけで改善提案がない 「次月の改善案」と「実施結果」
の報告を必須にする

「月額◯万円なら、最低どの程度の改善提案や作業が行われるべきか」を制作会社と共通認識にすることが重要です。そのうえで、3〜6か月単位で成果と工数を見直し、単価の妥当性を評価すると、無駄な管理費を削減しやすくなります。

安さだけで選びサイトが更新されないケース

安さだけを基準に制作会社を選ぶと、更新対応が遅い・対応内容が限定的・そもそも更新工数が見込まれていないといった状況になりやすくなります。その結果、キャンペーン情報や料金改定、採用情報などが反映されず、実態と合わない“放置サイト”になってしまいます。

とくに月額数千円レベルの格安プランでは、「サーバー・ドメイン費用+最低限の保守のみ」で、テキスト修正や画像差し替えは別途見積もりというケースが一般的です。更新のたびに追加費用が発生するため、社内で「後回し」にされ、情報鮮度が落ちていきます。

この失敗を防ぐには、契約前に以下を必ず確認します。

  • 月額に含まれる更新作業の範囲(テキスト、画像、ページ数)
  • 月内の更新回数・作業時間の上限
  • 追加更新時の単価(1回あたり/1時間あたり)

「安さ」ではなく「必要な頻度で更新できるか」を基準に管理費を比較することが重要です。

担当者不在でブラックボックス化するケース

担当者が退職・異動したのに管理体制を見直さない場合や、最初から制作会社に丸投げしている場合、「誰が何をどこまで把握しているのか不明なブラックボックス状態」になりやすくなります。ドメインやサーバーの契約情報、FTPやCMSのログイン情報、バックアップの有無と保存場所などが共有されていないケースは要注意です。

ブラックボックス化すると、以下のようなリスクが生じます。

  • 緊急トラブル時に社内で何も対応できない
  • 制作会社の変更・リニューアル時に大きな工数とコストが発生する
  • 不要なオプション費用が発生しても検証できない

対策としては、「管理項目と権限の棚卸し」と「ドキュメント化」が有効です。最低限、以下は社内で一元管理しておくことが望ましい情報です。

項目 内容の例
契約情報 サーバー/ドメインの契約先・更新日
アカウント・権限情報 CMS・解析ツールのログインと権限
保守・バックアップのルール 頻度・保存場所・復旧手順

特定の個人や外部業者に依存せず、社内で最低限のコントロールができる状態を保つことが、長期的なリスクと余計な管理費の増加を防ぐポイントです。

管理費をコストから投資に変えるための考え方

ホームページの管理費を「毎月なんとなく払う固定費」と捉えると、どうしても削減対象になりがちです。管理費を投資と位置づけるためには、「いくら払うか」ではなく「いくら成果を生んでいるか」で評価軸を変えることが重要です。

投資として捉える第一歩は、管理費の目的を明文化することです。例として「問い合わせ数の最大化」「採用応募の増加」「ブランド認知の向上」など、サイトの役割を明確にし、その役割を達成するために必要な保守・改善・集客の費用だと定義します。

次に、管理費を「守りの費用」と「攻めの費用」に分けて考えます。サーバーやセキュリティ、バックアップなどの停止リスクを防ぐ費用は守り、UI改善やコンテンツ追加、SEO・広告連携などは攻めの費用です。守りの費用は“事業継続に必要なインフラコスト”、攻めの費用は“売上・問い合わせを増やすためのマーケティング投資”として予算化すると、社内での合意形成も進みやすくなります。

最後に「売上やリード1件あたりの獲得コスト」という視点を導入すると、他の施策との比較も可能になります。アクセス数・問い合わせ数・成約数と管理費をセットでモニタリングし、費用を単に削るのではなく、費用配分を成果の高い項目へシフトしていく思考が、コストから投資への転換につながります。

KPIと連動した運用改善サイクルを設計する

ホームページの管理費を「投資」に変えるためには、費用とKPI(重要指標)を常に紐づけて、改善サイクルを回すことが欠かせません。なんとなく更新やレポートを続けるのではなく、「どの数字を、いつまでに、どこまで改善するのか」を明確にします。

代表的なKPIの例と管理費の関係

目的 代表的なKPI例 管理費で行うべきことの例
問い合わせ数を増やす CV数、CVR、問い合わせフォーム閲覧数 導線改善、フォーム改善、LP追加、ABテスト
集客力を高める セッション数、自然検索流入数 SEO施策、コンテンツ追加、内部リンク最適化
リピーターを増やす 再訪問率、メルマガ経由流入数 ブログ更新、メール配信連携、会員向けページ更新

運用改善サイクル(PDCA)の設計イメージ

  1. Plan:KPIと目標値を決める
    例)「半年で問い合わせ数を1.5倍」「自然検索流入を30%増」などを設定。
  2. Do:管理費の範囲で具体施策を実行
    更新作業、導線改善、コンテンツ追加などを「毎月どこまで行うか」制作会社と合意します。
  3. Check:月次・四半期でKPIを確認
    アクセス解析レポートを単なる報告で終わらせず、「どの施策がどの数字に効いたか」を必ず検証します。
  4. Act:次月以降の配分を調整
    効果の高い施策に工数・予算を寄せ、効果の薄い作業を削ることで、同じ管理費でも成果を高めることができます。

このように、KPIと運用サイクルをセットで設計することで、管理費が「維持のための固定費」から「成果を伸ばす投資」に変わっていきます。

半年〜1年単位で管理体制と費用を見直す

運用開始から時間が経つと、アクセス状況や問い合わせ数、社内体制、制作会社のサービス内容は少しずつ変化します。ホームページの管理費は「一度決めたら終わり」ではなく、半年〜1年単位で見直す前提で設計することが重要です。

見直しの際は、次の観点で整理すると判断しやすくなります。

見直し項目 具体的な確認内容
成果 アクセス数、CV数、問い合わせの質・量は増えているか
作業内容 契約に含まれる作業が実際に実施されているか/不要な作業がないか
社内体制 社内で更新できる範囲が広がっていないか
単価 他社相場と比べて極端に高くなっていないか

半年ごとに「運用レポート+費用対効果レビュー」のミーティングを制作会社と設定し、続ける作業・減らす作業・追加すべき作業を話し合うと、管理費を適正化しやすくなります。

まとめ:適正な管理費で成果を出すための要点整理

管理費で損をしないためには、単に相場を知るだけでは不十分です。「何に・いくら払っているのかを分解し、自社の目的と成果に照らして定期的に見直すこと」が最重要ポイントです。

本文で整理してきた要点をまとめると、次のようになります。

見直しの観点 押さえるべきポイント
費用構造の理解 制作費と管理費、維持・保守・運用の違いを分けて把握する
相場感 自社管理/一部委託/全委託/集客込みの4パターンでおおよその水準を押さえる
内訳 サーバー・ドメイン・SSL・更新・保守・解析・マーケ費用を項目別に確認する
委託範囲 社内と外注の役割分担、月額契約かスポットかを業務内容と頻度から決める
損しない7ポイント 自社名義契約、不要作業の排除、料金体系比較、CMS活用、
作業範囲の書面化、相見積もり、成果との紐づけ
契約確認 「一式」表記の内訳、更新上限、途中解約・リニューアル条件を事前に確認する
継続改善 KPIと連動した運用サイクルを回し、半年〜1年ごとに管理体制と費用を見直す

ホームページの管理費は、適切に設計すれば「固定費」ではなく「投資」として機能します。現在の契約内容と運用状況を整理しながら、上記の観点で一つずつチェックし、自社の売上・問い合わせ増加に結びつく“意味のある管理費”へと見直していくことが重要です。

ホームページの管理費は「いくら払うか」だけでなく、「何に・どこまで払うか」を設計できるかで成果が大きく変わります。本記事で整理した相場感と内訳、委託範囲の決め方、7つのチェックポイントをもとに、自社で対応する部分と外注する部分を言語化し、見積書・契約書で曖昧さを残さないことが重要です。管理費を単なる固定コストではなく、売上や問い合わせ数に結びつく投資として定期的に見直すことで、適正な費用で成果を最大化しやすくなります。

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