マーケティングにおいて、メルマガや広告などの効果を測るのに「コンバージョン率(CVR)」という指標が頻繁に使われます。
マーケティングの担当者になったばかりだと「コンバージョン率という単語は聞いたことがあるけどよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コンバージョン率の概要やビジネスに活用する方法、コンバージョン率を上げる方法について詳しく解説します。
本記事を読むことで、コンバージョン率をビジネスに活かして売上アップや広告の費用対効果向上に役立てることができるでしょう。
「コンバージョン率について詳しく知りたい」「コンバージョン率についてざっくりとしかわからない」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
コンバージョン率(CVR)について
マーケティングにおいてさまざまな場面で用いられる指標であるコンバージョン率(CVR)ですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
コンバージョン率を分析してビジネスに活かすには、当然ながらコンバージョン率に対する理解を深める必要があります。
本章では、以下のポイントからコンバージョン率について解説します。
- コンバージョンとコンバージョン率とは
- コンバージョン率の計算方法
- コンバージョン率の計算方法
それでは、それぞれ詳しく解説します。
コンバージョンとコンバージョン率とは
コンバージョン率について説明をする前に、まずは「コンバージョン」が何かを正確に理解しておきましょう。
コンバージョンとは、広告やWEBサイトに求める最終的な成果のことを指します。
コンバージョンの内容は目的によって異なりますが、具体的には「問い合わせの獲得」「商品の購入」「説明会への参加」などが挙げられます。
次に、コンバージョン率について解説します。
コンバージョン率とは、WEBサイトにアクセスしてきたユーザーのうち、どれぐらいのユーザーがコンバージョンしたかを示す指標です。
仮に100名がアクセスしたWEBサイトで10件の問い合わせ(コンバージョン)があったとすると、コンバージョン率は10%ということになります。
コンバージョン率の計算方法
コンバージョン率(CVR)は基本的に、「CVR=コンバージョン数÷セッション数(WEBサイトへのアクセス数)×100%」という式で表されます。
例えば、100回のアクセスのうち5回コンバージョンが発生していたらコンバージョン率は5%です。
70回のアクセスのうち7人がコンバージョンしていたらコンバージョン率は約10%となります。
このように、コンバージョン率はかなりシンプルな数式で求められます。
マーケティングの担当者になった方は、コンバージョン率は「全体のうちどのくらいの人が成果に結びついたか」を示す指標だと認識しておくと良いでしょう。
コンバージョン率の平均値
先述したように、広告やWEBサイトの成果を測る指標として有効なコンバージョン率ですが、実際はどのくらいの数値が平均なのでしょうか。
結論をお伝えすると、コンバージョン率の平均値はユーザーの利用デバイスや業界により異なります。
アメリカにある「Contentsquare」が2021年に実施した調査によると、コンバージョン率の平均値はアパレルが2.6%、自動車が0.4%、すべての平均が1.82%となっています。
一般的には1〜2%に落ち着くことが多いと言われているコンバージョン率ですが、業界によって平均値は大きく異なることが特徴です。
また、同じ「Contentsquare」の調査によるとユーザーの利用デバイスによっても平均コンバージョン率には差が生まれています。
モバイル端末が1.5%なのに対して、デスクトップが2.3%でタブレットは2.6%と比較的高い水準となっています。
このように自社の広告やWEBサイトがどのような形態かにより、目標とするコンバージョン率も変わってくるでしょう。
コンバージョン率(CVR)が低くなってしまう5つの原因
ここまで、コンバージョン率の概要や平均値について解説しました。
コンバージョン率は確実に予測できるものではなく、コンテンツに関するさまざまな要因により上下することが特徴です。
本章では、コンバージョン率が低くなってしまう原因を以下のポイントから解説します。
- 広告の種類が影響している
- 不適切なターゲティングになっている
- ファーストビューやサイトの構造に問題がある
- ユーザー目線が欠如している
- 市場のトレンドが変化している
それでは、それぞれ詳しく解説します。
1.広告の種類が影響している
WEBサイトやSNSなどに出稿する広告には、さまざまな種類があります。
代表的なものとしては、WEBページ内に表示される「ディスプレイ広告」や、検索画面に表示される「検索広告」などが挙げられます。
このように広告を出稿できる場所はさまざまなので、ターゲットとなるユーザーが多い場所を見極めることが重要です。
また、SNSの場合は「Instagram」や「Facebook」などのプラットフォームごとに利用者層が大きく異なります。
SNS広告を出稿する際は、ターゲットとなるユーザーがどのSNSを利用しているかを分析し、適切な場所に広告を設置する必要性が特に高いと言えます。
2.不適切なターゲティングになっている
広告の出稿時には、年齢や性別、居住地などでターゲットとなるユーザーの属性を絞ることができます。
このターゲティングが不適切であることも、コンバージョン率が低下する原因となります。
ペルソナやターゲットの設定が不十分だと、想定したユーザーに広告が届かないことやターゲットユーザーのニーズに合わない広告になることが多いです。
例えば、高級ブランドの広告を若年層向けに配信しても、購入できる人は限られているため思うような成果は出にくいでしょう。
このようにターゲティングは広告においてかなり重要な要素であるため、マーケティング担当者はターゲティングの手法を理解しておくようにしましょう。
3.ファーストビューやサイトの構造に問題がある
ファーストビューとは、WEBサイトを閲覧した際に初めに目にする部分のことです。
ユーザーはファーストビューを見てコンテンツが自分にとって有益か判断しています。
現在はWEB上にコンテンツが溢れているため、自分には必要のないWEBサイトと判断された場合はすぐに離脱されてしまうでしょう。
そのため、ユーザーの興味を惹くファーストビューにすることは結果的にコンバージョン率の向上につながります。
また、WEBサイトの構造に問題がある場合もコンバージョン率は低下してしまいます。
「サイトの構造が複雑でなかなか目的にたどり着けない」という要因で機会損失を生んでしまうことも少なくありません。
そのためWEBサイトや広告を設計する際は、ユーザーが簡単に目的まで辿り着けるわかりやすい構造にするとコンバージョン率の向上につながるでしょう。
4.ユーザー目線が欠如している
WEBサイトや広告を作る際にユーザー目線が欠如していることも、コンバージョン率低下の原因となります。
具体的には「そもそもの内容がユーザーに響かない」「文章や構成がわかりづらい」といったことが挙げられるでしょう。
ユーザーの目線に立ってコンテンツの内容や文章、サイトの構成を設計することで、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを提供することができます。
ユーザーのニーズを満たせば結果的にコンバージョンにつながる確率も高まるため、マーケティング担当者にはユーザー目線を常に持ち続けることが求められます。
5.市場のトレンドが変化している
コンバージョン率が低下してしまう原因の1つに、市場トレンドの変化が挙げられます。
多くの業界の勢力図は常に変わり続けており、特に中小企業ではその影響が強く見られます。
競合が力をつけて魅力的な商品を販売している場合は、自社のWEBサイトや広告のコンバージョン率が低下してしまうこともあるでしょう。
また、業界や商品によっては季節や時期もコンバージョン率に大きく影響します。
そのためマーケティング担当者は、同じようなコンテンツを配信し続けるのではなく、市場のトレンドや時期に合わせて最適なコンテンツを配信することが重要です。
コンバージョン率(CVR)を上げるための5つの方法
前章では、コンバージョン率が低くなってしまう理由を5つのポイントを解説しました。
コンバージョン率を上げるためには、前章で挙げたような課題を特定して適切な解決策を実行することが必要です。
そこで本章では、コンバージョン率を上げるための方法を以下の5つのポイントから解説します。
- 課題となるポイントを見つける
- 課題に合わせたサイトの改善を行う
- ユーザーのストレスを軽減させる
- ターゲット設定を見直す
- コンバージョンの内容を見直す
それでは、それぞれ詳しく解説します。
1.課題となるポイントを見つける
コンバージョン率を改善するには、現時点で課題となっているポイントを見つけて改善することが役立つでしょう。
企業が抱える課題の具体的な例には以下のようなものがあります。
- サイトの訪問数が少ない
- 訪問者がすぐ離脱する
- サイト構造の問題で目的まで辿り着けない
- 入力フォーム上で離脱が発生している
自社のWEBサイトや広告で問題が起きている箇所を正確に把握することで、ボトルネックを解消することに役立つでしょう。
特定した課題の解決については後述します。
2.課題に合わせたサイトの改善を行う
先述したように自社コンテンツの課題を特定することができたら、その課題に合わせてサイトの改善を行うことが必要です。
例えば「訪問者がすぐ離脱する」という課題であれば、ファーストビューの改善が必要でしょう。
一方「入力フォーム上で離脱が発生している」という課題であればフォームの入力項目を減らすなどの改善が必要になります。
発生している課題によって改善すべきポイントは異なるため、課題の特定に合わせて適切な改善を行うことが求められます。
3.ユーザーのストレスを軽減させる
ユーザーにとって「サイトの表示に時間がかかる」「広告の内容や文章に不快感を感じる」「スマホ対応ができていない」といったストレスは離脱の大きな原因となります。
そのため、ユーザーにとってのストレスを軽減させることもコンバージョン率の改善に役立つでしょう。
具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。
- WEBサイトのファイルサイズを減らして動作を軽くする
- 掲載する文章はコンプライアンスに注意を払う
- レスポンシブ対応をする
コンバージョン率を向上させるために、このような施策を考えることがマーケティング担当者に求められるでしょう。
4.ターゲット設定を見直す
WEBサイトや広告の内容や構造に問題がないのにコンバージョン率が低い場合は、ターゲット設定に問題がある可能性が高いです。
このような場合は、ターゲットやペルソナの設定を見直してコンバージョン率の改善を目指す必要があるでしょう。
具体的には「適切な媒体に適切なキーワードで広告を出しているか」「ターゲットとなる層に響く訴求ができているか」といったことを軸に改善を図ることができます。
また、広告を出稿する媒体によっては、ユーザーの利用データをもとに最適なターゲット層を提案してくれる機能が設けられています。
そのような機能も、場合によってはターゲット設定に活用できるでしょう。
5.コンバージョンの内容を見直す
コンバージョン率が低い要因として見落とされがちなものに、そもそもコンバージョンの内容や基準が高く設定されていることがあります。
例えば、WEBサイトの目的を商品の購入にしている場合は、WEBサイトの動線が短い場合においてはハードルがかなり高くなるでしょう。
そのような場合は、コンバージョンの内容を購入ではなく会員登録や資料請求などに切り替えるという手段もあります。
このようにコンバージョンの内容を調整することで、WEBサイトの目的が達成できているか適切に計測することができるでしょう。
まとめ
本記事では、「コンバージョン率とは何か?」という基本的なお話からコンバージョン率を上げる方法まで解説しました。
詳しく読んでいただいた方は認識できているかと思いますが、コンバージョン率低下の原因や改善すべきポイントはさまざまです。
コンバージョン率の改善にお悩みの方は、ぜひNERDにご相談ください。
NERDでは、経験豊富なプロのマーケターがクライアントの現状を細かく分析し、予算内で最適な施策を提案しています。
無料相談はこちらまでお待ちしております。